自分だけの「京都のお気に入り」を探して
みなさんは、どのようにして大学を選びますか?今回は、私がどういう経緯で京都の大学へ通うことになったのか、そして、京都でどのような大学生活を送っているのかをご紹介したいと思います。
もくじ
知らない土地へ行きたかった
(入学式の会場近くで撮影)
高校3年生の時、私は大学を決める際に、どこか地元から離れた知らない土地に行きたいと思いました。特に理由はなく、ただ漠然とです。しかし、下宿するのは寂しいから嫌でした。そこで、地元の兵庫県から通える範囲で、私の知らない土地を探したところ、「京都」という場所が浮かび上がってきました。そこからさらに詳しく大学を調べ、興味をもった大学・学部を目指し、受験して、京都へやってきました。
ただ単に、「知らない土地へ行きたかった」という理由から、私の京都での大学生活はスタートしました。
「京都」をこの目で見た感動の瞬間
(嵐山にて撮影)
そのようにして京都に来て、初めて色々な場所を観光しました。その中でも、友達と訪れた六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)は、特に印象に残っている場所です。「空也上人立像(くうやしょうにんりつぞう)」をご存じでしょうか?口から六体の阿弥陀が出てきている像です。日本史で勉強した内容を初めて自分の目で見ることができ、とても感動したので私の京都の中での一番のお気に入りの場所です。
私はそれまで、高校の日本史で出てきた仏像などを、実際にはあまり見たことがありませんでした。しかし大学に入り、京都に来て、高校で学んだことをこのように実際に見ることができ、「これが京都の大学生か~!」と思いました。他にも、全国にあるチェーン店が、京都では、茶色い和風の外観になっていたり、高い建物が少なかったりと、京都の美しい景観を壊さないよう工夫している様子をこの目で初めて見たときの感動は、今でも忘れられません。
刺激だらけの通学時間
(蹴上インクラインにて撮影)
ここまで京都で感動したことを語ったものの、ゆっくりと京都観光ができたのは、入学して数箇月だけでした。その後は、大学の課題やサークル活動、アルバイトなどに追われ、なかなか文化遺産に触れることができない日々が続きました。
しかも、私は毎日、兵庫県から電車とバスで大学まで通っているため、通学に長い時間がかかります。とはいえ、私にとってはその通学時間も刺激がいっぱいで充実した時間になっています。
まず、初めての電車通学。これは正直あまり京都に限ったことではありません(笑)。
私は今まで、小学校からずっと徒歩通学だったため、電車に乗って学校に通うという経験が初めてでした。初めのうちは、満員電車の人波に押し流されたり、立ちっぱなしで頭がクラクラしてきたりと、「電車通学ってしんどいな」と思っていました。しかし、車内には面白い会話をするおじさんたちがいたり、隣の人に寄りかかりそうになりながらウトウトしている高校生ぐらいの女の子がいたりと、本当に様々な人が乗っています。
毎日周りの人を観察しているうちに、電車通学もおもしろいなと感じるようになりました。
次は、電車の最寄り駅から大学前まで、京都市バスに乗る15分間。私はよく、バスに揺られながら運転手さんの言動に注目しています。アナウンスが丁寧な運転手さんや、乗り心地の良い運転をしてくれる運転手さんなど、色々な方がいる中で、特に私が衝撃を受けた運転手さんがいました。なんとその方は、車内アナウンスで、今日の京都市内の天気や気温、もうすぐ開催される行事など、バスの乗り降りには関係なくとも、知っているとちょっぴりお得な情報を、アナウンスしてくださったのです!
これは私にとって初めての経験でした。
その運転手さんがアナウンスしている間は、車内にとってもほっこりとした時間が流れているように感じました。このような些細な気遣いができる人って憧れますし、私もそんな大人になりたいなぁと思いました。またいつか、あの運転手さんが運転する市バスに乗ることができますように。
最後に
(錦市場にて撮影)
知らない土地に行きたい。でも下宿はしたくない。
そんな漠然とした思いから決まった、京都での大学生活。家から離れていて、遠いなぁと思うこともあります。それでも私は心の底から京都に来て良かったと思っています。京都には魅力がいっぱいです。しかも、見る人によってその魅力の感じ方は変わってきます。どこの大学にしようかと迷っているみなさん!京都の大学に来て、自分だけの「京都のお気に入り」を、見つけてみませんか?
(立命館大学 文学部 巻木彩花)