京都に来た理由

「せっかくの大学生活。好きなことをやりなさい」という母の言葉を大切にしたかったんです。

「せっかくの大学生活。好きなことをやりなさい」という母の言葉を大切にしたかったんです。
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憧れの京都での生活。でも不安もありました

大学進学について、じっくり考え始める高校三年生の頃、私の頭は京都で大学生活を送りたいという気持ちでいっぱいでした。中学生の頃、日本史の資料集に出てきた仏像に一瞬で虜になりました。そして高校生になってからは、世界史の授業で西洋の様々な美術に触れ、どんどんその世界観に引き込まれていきました。こうした私の美術への興味から、「大学では日本美術と西洋美術のどちらも学びたい」と考えるようになりました。寺社仏閣や博物館・美術館が多い京都で女子大生になるんだ!という目標がいつの間にか自分の中にあり、その思いが通じたのか晴れて同志社大学に合格しました。

私の地元は三重県なので、大学入学を機に1人暮らしをすることになりました。実家を離れてちゃんと生活出来るのか、本当に不安になりました。そんな私を見て母が「せっかくの大学生活なのだし、好きなことをとことんやりなさい」と背中を押してくれました。不安はもちろんあったけれど、自分の日本美術や西洋美術が好きな気持ち、そして、京都で学びたいと思った気持ちを大切にしたいと強く思いました。

友人と嵐山できゅうりの一本漬けを食べる

はじめての一人暮らし。太りました(笑)

京都に来て、まずコンビニの多さに驚きました。「夜中にお腹が空いたらいつでも買いに行ける!」と食べることが大好きな私は1回生の半年で5キロ太ってしまいました(笑)。自炊も当時はほとんどせず外食ばかり。これはいけないと思い、少しでも自炊をする為に料理本を買い漁りました。運動もあまり得意ではないので、京都の町をのんびり散歩しながら体を動かすようにしました。運動しながら新しいカフェや雑貨屋さんを発掘できましたし、なによりも鴨川や京都御苑などの運動スポットがたくさんあることに驚きました。京都のまち歩きはまさに一石二鳥だと思います!こうして京都のまちにダイエットを助けてもらい、減量を成功させることができました(笑)

大学の友人とガレットを食べる

母の言葉通り、好きなことを学べる毎日!

自分が学びたいと思うことを思いっ切り学んでいる時間はやっぱり楽しいです。

1、2回生では近代の美術について研究しました。2回生の夏には、実際に学んだ絵画を見たいとオランダを訪れました。

1週間余り滞在して、オランダと京都には共通点があるということに気付きました。それは、そこで暮らす人の時間の過ごし方。街中のベンチに座り、ゆったりと読書したり、友人と談笑したり、自分の自由な時間を大切にする姿を眺めていると、鴨川や、京都御苑で憩う京都の人の姿に重なりました。本当に初めて訪れた国だっけと思わず自分を疑ってしまったほど、自分に馴染みました。京都の魅力に改めて気付いた旅となりました。

3回生になると、西洋中世史の勉強を始めました。先生の勧めで、中世の文学作品も読んでいます。もともと好きな美術とはまた少し違いますが、当時の人々の生活感が分かる文学作品はとてもおもしろいです。また、研究する対象の国や人が違っても歴史が好きという共通の思いをもったメンバーと出会うことができ、更に勉強が楽しくなりました。研究で悩んだりした時はいつもまちなかを散歩するんです。なぜかとても気持ちが落ち着き、リラックスできます。こうして、歴史を肌で感じることが出来る場所で、歴史を学ぶということは、私にとって何よりの刺激になっています。

「せっかくの大学生活。好きなことをやりなさい。」という母の言葉を大切にしたかったんです。

母にも楽しそうだねって羨ましがられています(笑)。

私は、京都で勉強がしたいという一心でやってきました。約2年半、京都で暮らしていますが、勉強・遊び、なんでもの環境が充実したまちだなと感じます。京都御苑では読書をしつつ疲れたらお昼寝ができますし、鴨川で散歩をしながらぼーっと水の流れを眺める。京都のまちが自分の生活のなかに溶け込んでいく感じなんです。

私のように京都で勉強するぞ!と決めている人もいると思いますし、なんとなく京都が好きかなと思っている人もいると思います。京都は人口に対する学生の割合が日本一なだけあって、学生のカタチもひとそれぞれ。今、やりたいことが見つからなくても、そういった出会いの中で夢中になれることが見つかるのではないかと思います。「好きなことしなさい」と言ってくれた母は、「本当に楽しそうに勉強しているね」と言ってくれました。この言葉を聞いて京都に来てみて良かったと思っています。京都に来て、色々な人と出会って、最高の大学生活を送ってみませんか?

(同志社大学 文学部 川村環奈)

この記事を書いた学生

かれんちゃん

かれんちゃん

卒業生が執筆した記事はかれんが紹介しているよ!