#京都里山ぐらし 思い出の地、花脊で活躍する藤井さんにインタビュー
もくじ
おじゃまします、花脊
地下鉄「国際会館駅」から車に揺られること1時間。紅葉している木々がカラフルで絨毯のような秋の花脊は肌寒く、足からも冷える寒さを感じました。
さて、みなさんは「花脊(はなせ)」って行ったことはありますか?
京都市内の小学校に通っている人は「花背山の家」に宿泊学習で行ったと思います。わたしもその1人。花脊を訪れるのは小学5年生ぶりでした。
当時の懐かしい記憶を思い返しながら今回の取材へ向かいました。
今回、花脊の山村都市交流の森でアクティビティガイドや京の地域苗の販売など多岐にわたって活躍しておられる藤井拓郎さんにお話を聞いて来ました。
合うか合わないか。
――今日はよろしくお願いします。多岐にわたって活躍されていますが、具体的にはどのようなお仕事をなさっているのでしょうか?
公益財団法人京都市森林文化協会というところで働いています。
交流の森の管理や森林整備を主に行っています。経済林ではなく、大文字山を整備するような森づくりです。土砂崩れを防止するためや、観光地の森林を作っています。
例えば、嵐山へ紅葉を見にきてくださった方が見て綺麗だと感じる紅葉は、他の地域から植えたものではなく、京都産であってほしいと思うんです。
だから「地域性苗木」という活動で京都産の植物を広める活動を行ったりもしています。
――素敵な活動ですね!確かに京都の森林は京都の植物であってほしいと思います。
では藤井さんがここ花脊へ移住されたきっかけというのはなんでしょうか?
たまたま、ですね。親が花脊出身だったので子どもの頃はよく遊びに来ていました。
でも僕自身は京都の北大路で生まれ育ちました。28歳の時にたまたま花脊にある京都市森林文化協会を見つけて、仕事でここに来たんです。その時には結婚もして子どももいたので家族で引っ越すことにしました。
北大路から花脊に引っ越すと不便は感じましたが、子どもの頃に来ていたのでそんな不便も大丈夫だなと思えました。
――確かに不便も多いかもしれないけれど花脊ならではの素敵なところもたくさんありますよね!ここに移り住むのはやはり覚悟は必要ですか?
どこでもそうだとは思いますが、やはり暮らす場所は「合うか合わないか」だと思うんです。
僕は「合った」からこれからもここにいると思います。ここは子どもが少なかったり、学校が遠かったりとそれぞれの環境に適していなければ暮らして行くのが難しい面もあります。それでも子どもたちはここでの暮らしを楽しんでいますよ!
移住を考えている方は,まず一度遊びにくるのがオススメですね!
自然と話す機会をつくる
(山村都市交流の森。葉が色づき始めていてとても綺麗でした。)
――今回,取材で訪れただけでも十分に花脊の魅力が伝わりました。藤井さんがアクティビティガイドをされている交流の森ではどのような活動をされているのでしょうか?
木登りや春夏秋冬に合わせたイベントを開催しています。
木登りでは、自然と触れ合うことで環境について考える機会にもなるし、自然を大切にしてほしいということが伝えられます。
実際に木登りをしながら、「今登っているその木も生きている」ということを伝えると扱い方が大きく変わります。
そうやって触れている植物の命を感じるという経験を、子どもの頃に是非してほしいなと思います。
また、交流の森は通年開いているので、春夏秋冬を味わえるのが魅力です。
夏は川遊びでイカダ作りをしたり、冬は雪遊びでかまくら作りや雪合戦をしたり。1人ではなかなかできないようなことをイベントにして体験してもらえるようにしています。
おわりに
(日本で1番高い大悲山の三本杉。神秘的でパワーをもらえました。)
自然にも多くの地元の方にも囲まれ人望のある藤井さん。
そして自然を大切にする姿を見てこれからも花脊の自然があり続けてほしいと思いました。
同じ京都市でもいつも生活しているところとは全然違う。渋滞した道や目が眩んでしまいそうな人混みに疲れた時は新鮮な空気を吸って落ち着きませんか?
自然に囲まれた場所、花脊へぜひ訪れてみてください。
(同志社大学 政策学部 嶋倉万由子)