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【学びフォーラム2015】既読はキノドク!?模擬講義を終えた先生に聞きました!

立命館大学で開催された「京都の大学『学び』フォーラム2015」。京都の様々な大学の情報が得られるこのイベントには、毎年多くの高校生が多く参加します。
特に、各大学の先生が教壇に立つ模擬講義では大学での「学び」を体感することができ、このイベントでの目玉企画となっています。

今回は、1限目に「既読キノドク?」という題で現代のデジタルコミュニケーションについて講義を行ったばかりの、大谷大学文学部高橋真先生を直撃!講義のお話など、気になる話を聞いてみました。

〈プロフィール〉
高橋 真(たかはし まこと)氏
大谷大学人文情報学科講師。専門は比較認知科学、動物心理学。
情報リテラシー、行動データ解析などの科目を担当している。

講義内容

人間が情報のやり取りをする際、言葉以外(言葉の抑揚、身振り手振り)でのやり取りがほとんどを占めて、言葉で伝わる情報は思った以上に少ないのです。(メラビアンの法則)。
そんな中、現在メール、SNSでコミュニケーションをとると、文字のみでやり取りをすることが多くなりますよね。すると声の抑揚、身振り手振りなどを使うことはできなくなります。すなわち、伝わる情報が限られちゃうんです。この対策として、相手に送る文章を工夫する、ネットの特徴を知ることなどが考えられます。

今やだれもが使うSNSの問題、そしてこれからは?

【学びフォーラム2015】既読はキノドク!?模擬講義を終 えた先生に聞きました!

まずは講義で取り上げられたSNSについて先生にお話を聞きます。

──講義で、先生はLINEを使ってないとおっしゃっていましたが、他のSNSも使われていないのでしょうか?

先生:実は使っていないんです。アカウントは持っているんですけど、楽しさがわからなくて…。あなたは使っていますか?

──使っています。だから、今日の講義内容に共感することも何度かありました。

先生:大学生ならちゃんとSNSを使いこなせる人もいるんですけど、高校生だと、どうしてもLINEの既読やグループに関する不安があったりしますよね。「ほっときゃいいじゃん」くらいに思うのが一番なんですけどね(笑)

──授業でのお話の中でも、メラビアンの法則が印象的でした。身振りとか、声の抑揚から伝わる情報って、意外と多いんですね。

先生:だからネットやSNSでコミュニケーションをとるのは難しいですよね。SNSでは基本文字だけのやり取りをするので、感情など、いろんな情報が欠けちゃうんです。どうすればより相手に伝わるのかを考えることが大事なポイントです。

── SNSやネットでのコミュニケーションが、将来的に普段の会話のスムーズさに追いつくときは来るんでしょうか?

先生:システム的には十分可能だと思いますよ。でも、システムのことをみんなに知ってもらうとなると、共通のルールのようなものが必要になる。それをどのように人に浸透させていくかですよね。

大学の先生の学生時代ってどんな感じ?

【学びフォーラム2015】既読はキノドク!?模擬講義を終えた先生に聞きました!

先生の専門は比較認知科学や動物心理学。なぜその学問に興味を持ったのか、気になるところです。

──今日授業で話していた分野にはどのような経緯で興味を持たれたのですか?

先生:えーっと、この分野に関わるいろんな本を読んでですね。

──学生時代に興味を持ったのですか?

先生:というわけではないというのが正直なところです。もともと心理学をやりたくて大学に入学し、大学院を出て、さあどう生きていこうかというところで、大谷大学の先生に声をかけていただいたことがきっかけでしたね。

──大学時代はどんな学生さんでしたか? 部活に活発だったのですか?

先生:いえ、のんべんだらりと過ごしました。基本は流れに任せて生きているので(笑)。勉強も好きなときにやる、といった感じでしたね。

──志望大学を決めたときのこだわりは?

先生:こだわりはないのですが、中学生のときにテレビを見て興味を持った心理学を、大学で学びたかったんです。でも偏差値的に近くの大学は無理だな、と。そんなとき、たまたま兄貴の持ってた赤本に載っている大学で心理学ができる…!あ、ここでいいや、と思いました(笑)。

中高生へのメッセージ!

【学びフォーラム2015】既読はキノドク!?模擬講義を終えた先生に聞きました!

──最後に、先生から進学を考えている中高生へメッセージをいただけますか?

先生:大学生になったらどんどんいろんな学生と出会って!ってことかな(笑)。

──なるほど。学部や大学も超えたところで、ということですね。

先生:そうそう。京都の学生にとっての魅力って、バスで少し移動しただけで別の大学があるってとこでしょ?

──確かにそうですね!

先生:自分が学んでいることと似た分野を扱う大学も、全く違う分野を扱う大学もあるから、学部や大学の垣根を越えて出会った学生からも色んなことを吸収できる。そんなメリットが京都にはあると思いますね。東京とはまた違った雰囲気があって、固すぎないというか。

──そんな意味でいえば、今回の学びフォーラムみたいな場所で、色んな大学のいろんな講義を受けられるのは大きいですよね。

先生:そうですね。大学側からしても、できるだけ高校生には学部とかに「興味を持って」入ってもらいたいと思う。「まずは大学に入らなきゃいけない」「私は国語が得意だから文系に」という考えにもなる高校生もいるかもしれないけど、必ずしもそれが大事じゃない。

──たしかに…

先生:文系の先生が数学の話をしないかと言えばそうじゃないですから。「これが得意だからこの学部に」ではなく「これが面白そう」といろいろ探ってみてほしい。偏差値にもこだわりすぎずに。たとえ偏差値が高い大学でも、なんとなく過ごしていただけじゃ何も身につけられずに、卒業するのに苦労することになりますから。

インタビューを終えて

まだ進学先を考えている高校生は、ぜひぜひ高橋先生の言葉、参考にしてみては?
大学生の僕にとっても響く言葉があり、大学で学ぶということを改めて考えさせられました!
高橋先生、今日はお忙しい中、本当にありがとうございました!

 

[大谷大学・大谷大学短期大学部 公式Webサイト]
http://www.otani.ac.jp/
[京都の大学「学び」フォーラム2015]
http://www.consortium.or.jp/project/kodai/manabi-forum

京都には、自分の所属する大学以外の授業を受けることができる「単位互換」という制度があります。開講されている科目は約600科目。総合大学、教育大学、芸術大学、医科大学など様々な大学の科目が集まっています。

[大学コンソーシアム京都 単位互換サイト]
http://www.consortium.or.jp/special/tani_gokan/

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(文:立命館大学 産業社会学部 宇高浩嗣)
(写真:京都産業大学 文化学部 石永路人)

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