訪れる京都、暮らす京都
もくじ
観光客のための町?
皆さんは京都にどんなイメージを持っていますか?古いお寺や神社、上品な和食、きれいな着物など、日本の伝統や文化があふれた町。
そして、そんな伝統や文化を一目見ようと集まってくる観光客のための町だと思っていませんか?
実は私自身、出身は広島県で、一年前に大学進学のため京都にやってきました。
京都に来たばかりの頃は、乗っているバスが立派な寺院の前を通るたびに、その荘厳さに目を奪われ、バスの窓に顔を近づけ景色を眺めたり 、バス停の名前を見て、日本史に出てきたところだ!と興奮したり、一向に観光客気分が抜けなかったことを覚えています。そんな私が、「観光客」から「京都の学生」にどのように変わっていったのか、そしてここ京都で何をしたいと思っているのかをお話します。
京都での新生活
実は私は、京都での生活を修学旅行生のように、初めから楽しみにしていた訳ではありません。高校生の頃から、大学に入学したらメディアや社会学について学びたいと考え、大手出版社やキー局(ネットワークの中心となる放送局)のある東京の大学に憧れを抱いていました。残念ながら、東京 の大学に合格することはできず、落ち込んでいた時期もありました。しかし、今ではそんな思いもすっかり忘れて京都を楽しんでいます。
なぜなら、京都ならではの面白い経験ができたからです。
日常に和の文化を
入学後すぐ、ある授業でのこと。「今からみんなで龍安寺に行きましょう。」そう言った先生に連れられて、クラスのみんなで龍安寺の石庭を見に行くことに。
あれ、ちょっと京都って面白いかも。
そう感じた瞬間でした。
修学旅行でも、観光目的でもなく、授業と関係あるから、ちょっとお寺に行ってみようという、京都の大学生ならではの日常。とても不思議な感覚でした。
それから、大学生活を送っていく中で、何度もその感覚に出会いました。友達と週末にきれいな日本庭園を訪れたり、帰り道に舞妓さんとすれ違ったり。
そして、外国人観光客の方に道を尋ねられた時、ある変化に気が付きました。自分はもう京都に遊びに来た観光客じゃない、京都に暮らす住民なんだと。
そして、もっと多くの人に京都に住みたいと感じてほしい、自分にできることは何だろう。もっと京都の魅力を発信する必要があるんじゃないか。
そう考えたときに、高校の頃から学びたいと思っていたメディアと京都が結びつき、私は今年から京都学生広報部の部員として活動を始めることになりました。
「そうだ京都、行こう」じゃなくて「京都の学生になろう」
思いがけず始まった京都の生活でしたが、今の私は、京都だからできる、京都でしかできない体験の中で、自分がやりたいことを見つけ、本当に充実した学生生活を送れている自信があります。
京都に来たいと思っているあなたもそうでないあなたも、観光客ではなくて、「京都の学生」になってみませんか?住んでみなくては分からない面白いことがたくさん見つかるはずです!
(立命館大学 産業社会学部 木村天音)