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京都で学ぶ!あなたを狂言の世界へお連れします!

京都ならではの習い事というと皆さんは茶道、華道を想像しませんか?
今回は狂言の世界をご紹介します!
実は今回お邪魔した狂言の教室「ぐんなり会」は私も習いに行っている教室です。

狂言とは?

狂言とは650年前にでき、能と一緒に受け継がれてきた日本初の喜劇のことです。
能は歌と舞がメインの歌舞劇であるのに対し、狂言は町で生きた人たちの生活を滑稽に表した台詞劇のことを言います。
京都では、能楽堂や一部の神社で見ることができます。

狂言の教室へLet’s Go!

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この方が、今回訪れた「ぐんなり会」の先生である網谷正美さんです。
網谷先生は大蔵流(茂山千五郎家)の狂言師で、少し前まで高校の古典の教師もされていました。

狂言で使う道具

先生に狂言で使う道具について説明していただきました!

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まずは扇子です。
金色の扇子は長い袴を着ている人(大名や主人など偉い人)が持ち、銀色の扇子は短い袴を着ている人(主人の召使である太郎冠者など)が持つそうです。
扇子には色々な使い方があります。
いきなりですがクイズで学んでいこうと思います!

では、第1問。
これは何をしているところでしょう?

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正解は…お酒を飲んでいるところです!扇子をお猪口のように見せています。

第2問
これは何をしているところでしょう?

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正解は…ノコギリで木を切っているところです!
ただ私は狂言の演目の中でこのように使っている場面をまだ見たことがありません(笑)。

第3問
これは何をしているところでしょう?

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正解は…水飴を食べているところです!
この動きは狂言の中でも有名なお話「附子」(ぶす)で見ることができます。

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この他にも、木に隠れていることを扇子で表したり、扇子を筆にしたりと色々な使い方があります。
次に説明してくださったのは下の写真にある葛桶(かずらおけ)です。

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見た目は円筒形の桶ですね。
ではこれはどのように使うのでしょうか?
「附子」では水飴が入っている入れ物として使われています。
他には椅子として座ったり、木に見立てて登ったりして使っています。

今回は二種類の道具を説明しましたが、狂言を見ていると他にも数珠などいろいろな道具が出てきますよ!

網谷先生にインタビュー

網谷先生にお話を伺いました。

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──ぐんなり会はどのようにできたのですか?

先生:前にワークショップの講師をした時、受講生から「また先生に教えてほしい」と言われて、狂言の台詞「いかめ」が由来の教室、「いかめ会」ができました。それが12、3年前かなぁ…。その3年ぐらい後に、またお稽古会をつくろうという話になって、その時は狂言の演目「土筆(つくづくし)」の台詞、「ぐんなり」が由来になって、「ぐんなり会」ができました。

──人に教えてみてどうですか?

先生:僕は学生狂言出身で自然と後輩に教えていました。人に教えるのは大変だし、イライラすることもあります。自分がやっている方が気楽で、教えるのは根気がいりますね。でも人に教えるというのは自分の勉強にもなりますし、稽古をしている子は上手になってほしいと思います。

──狂言を習っている人の男女比はどのくらいですか?

先生:昔は圧倒的に男性が多かったのですが、最近は女性が多いです。女性は研究熱心というか、いろんな物に関心が強いし、芝居が好きな子が多いからでしょうか。

──最後に全国の中高生へメッセージをお願いします。

先生:狂言に限らず、洗練された文化を日本は持っています。欧米のものばかりに目を向けるのではなく、1000年を越す京都の伝統文化を見たり聞いたり、あるいは実際にその世界に飛び込んだりと、日本人の原点みたいなものを見直してほしいです。また日本のことを外国人に紹介し、日本はこうだと言えるようになってほしいです。

茂山千五郎家では、狂言のおもしろさを若い世代に伝えるため、学校での鑑賞教室や修学旅行生向けの公演も実施されています。興味を持った方は以下のサイトをチェックしてみてください。
http://kyotokyogen.com/about/room/

教室の生徒さんにインタビュー

ぐんなり会で狂言を習っている半田さんにお話を伺いました。
半田さんは狂言を習い始めて1年2ヶ月です。

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──なぜ狂言をやろうと思ったのですか?
半田さん:もともと小学校1年生の時に狂言を1年ぐらいやっていましたが、その時は子どもだったから、良さが全然分かりませんでした。でも、23歳ぐらいの時にアルバイト先でここの教室を教えてもらって、ぜひ見学したいと思い、そこからもう一度始めました。

──やってみてどうですか?
半田さん:大きな声を出すことは日常であまりないので、すごく気持ちがいいし、言葉使いや動きがおもしろくて、かわいいです。特に文字で表現できない言葉(感嘆詞のような)が好きで、目の前に物がなくてもあるように動くとか、大げさなところがおもしろいです。この前の発表会で頑張ったけど、ビデオを見返すと下手くそで、もっと頑張るぞと思いました。

──今どんな練習をしていますか?
半田さん:練習しているのは「舟船」(ふねふな)で、役柄は太郎冠者です。今は台詞と動きを両方同時に覚えています。

──今後やってみたいことは何ですか?
半田さん:まだ狂言のことを深くは知らないので、いろんな狂言を見て吸収したいですね。

──最後に中高生へメッセージをお願いします。
半田さん:健康で未来を描けることに感謝して、今の瞬間を大切にして欲しいです。

ぐんなり会の皆さん、お稽古中にもかかわらず取材に協力してくださりありがとうございました。

狂言の世界はいかがでしたか?
狂言は気楽にコメディーを見るような感じなで、誰でも楽しめます!
私は太郎冠者が主役の「附子」(ぶす)や「棒縛り」(ぼうしばり)が分かりやすく、見ていておもしろいのでお勧めです!
皆さんもぜひ一度狂言を見てみてください。
新たな世界が見えるかも知れませんよ?

(同志社大学 法学部 平井雅子)

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