【ゼミ活動】京都の大学生が運営をサポート!祇園祭・函谷鉾から学ぶ日本三大祭りの“舞台裏”

もくじ
はじめに
夏の京都の風物詩と言えば、日本三大祭りと称される祇園祭。祇園祭は平安時代、東日本で発生した貞観大地震・大津波をはじめ全国で災害や疫病が流行した869年に、国土の安寧と疫病退散を祈願して神泉苑に当時の国の数と同じ66の矛を立てて祇園社から神輿を送ったのが始まりです。この祭りは7月の1ヶ月間行われ、34基の山鉾がそれぞれ前祭(さきまつり)と後祭(あとまつり)に巡行を行います。特に前祭の宵山期間(7月14~16日)には海外からも多くの観光客が訪れ、最後の2日間は夕方から四条一帯が歩行者天国として開放されます。
多くの人は祇園祭では山鉾をみて、露店を楽しむという方が多いと思います。しかし、この祇園祭、京都の大学生なら「運営側」として関わることが出来るんです!
この記事では、私の実際のゼミ活動を通じて京都の大学生、祇園祭の魅力をお届けしたいと思います。
1.函谷鉾での実習:多様なポジションと海外対応の奮闘
今回は京都産業大学文化学部京都文化学科の小林ゼミでの活動について紹介します。この学科では、京都を舞台にフィールドワークを行いながら、京都の文化や歴史について学ぶことが出来ます。さらに小林ゼミでは、京都・四条烏丸にある函谷鉾(かんこぼこ)保存会と連携し、事前打ち合わせ、祇園祭のちまき作り、前祭の鉾建て・曳き初めから巡行・鉾じまい(7月10~18日)まで、実習生として34基の山鉾の一つである函谷鉾の運営に関わることが出来ます!

私たちは主に函谷鉾ビルの1階、2階、テント、特務(案内誘導)、炊事の5つのポジションに分かれて実習を行いました。
1階では、厄除けちまきの授与・拝観料の受付・鉾に上がられる方に靴袋をお渡しします。ここで難しいのは、鉾の拝観について海外の方に聞かれた時の答え方です。私も実習期間中、英語で「これはなに?登れるの?」「入るにはいくら必要?」と聞かれて、答えるのに必死になって、最後には単語で話すのが精一杯でした。
2階では、拝観者の方のお出迎え・鉾を拝観する方の列誘導・鉾中での誘導・懸装品の説明・靴袋の回収を行います。2階は専門的な知識が必要である上に、拝観者の方からの声かけも多いポジションです。難しさもあるものの、たくさんの方とのコミュケーションができる場であり、「ありがとう」「頑張ってね」と声をかけられるなど達成感を感じる場所でもあります。
テントでは、ちまきや手ぬぐいなどの縁起物の授与が主な仕事になります。このポジションでは、圧倒的に外国人観光客の案内が多いことが特徴です。ちまきや御朱印の説明からバス停の説明まで、あらゆることへの対応が必要とされる場所でもあります。
2.裏方としてのS班と、テント最終日のリーダー経験
今年はゼミ内で、来年度に備えた各ポジションの引き継ぎの代であったため、リーダー研修としてこの他にも様々なポジションを経験させて頂きました。今回は、そんな中で私が印象に残った2つのポジションについて実習内容を詳しく紹介します。
1つ目は、S班という学生管理にあたるポジションです。このS班は基本的に拝観者の方と触れ合う機会は少なく、実習にあたる学生をサポートする部分が大きいポジションです。誰を休憩に行かせるか、誰をどこのポジションに入れるかを計算するのがこのポジションの難しさであり、同時にやりがいでもあります。私は実際に朝方にこのポジションを体験し、人が少なかったため比較的簡単に交代を回すことが出来ました。しかし、夜、先輩たちが回しているときには、びっしりと学生の名前が並んでいて、休憩の長さや個人個人の体調などを推測しながらシフト管理を行っていました。裏方の仕事ではあるものの、欠かせないポジションであるという点で、このポジションはとても印象に残りました。
2つ目は、テントのポジションです。このテントのポジションでは、実習最終日に最後のリーダーを任されて、ちまきや手ぬぐいなどの授与からテントの撤収作業までを行いました。私は昨年も参加していましたが、撤収作業に関わるのは初めてでテントを右往左往。トランシーバーの指示で走ったかと思えば、反対側で呼ばれてまたそっちへ…。トランシーバーで伝えようとすると言い間違えて、「あ、間違えました!!」と勢いよく言ってしまったり、上手く伝えられたと思いきや、今度は返答がお囃子の音と混ざって聞き取れなかったり…。しかし、保存会の方や4回生、同級生に助けられながら何とか作業を進めることが出来ました。3回生の現リーダーの先輩たちもヘルプに来てくださって、1回生も私が慌てているのを察してか、「何かできることありますか!」と積極的に声をかけてくれました。今まで部活動や学校でも目立つのが苦手だった私が、他人に指示を出して動けるとは、と思わず感動。撤収が終わって帰った時、私のトランシーバーに応答し続けてくれた先輩たちに「なかなかトランシーバーでうまく伝えることが出来なくてすみません!」というと、「いや、完璧よ!大丈夫!お疲れ様!」と声をかけてもらえて、本当にうれしい気持ちになりました。

3.伝統の継承と、先輩から後輩へ受け継がれる絆
また、最終日で忘れてはいけないのは、函谷鉾独自の取り組みである提灯落とし。この提灯落としでは、保存会の皆さまのご厚意で特別に代表として4回生の先輩たちが毎年参加させて頂いています。学生として実習に関わる、特に巡行に参加できない女子学生にとっては、これが実習の締めくくりになります。提灯落としの後には、感極まって涙を流す先輩もいます。私たちは最前列で提灯落としを見ることができ、そんな経験が出来るのもこのゼミならではの特権です。
このゼミの特徴は、どのポジションでも共通して先輩たちが後輩たちを伸ばす声かけをしている点です。後輩の名前を積極的に呼び、出来ているところを褒めてアドバイスをしてさらに伸ばす。そのため、期間中は上下関係なく話す姿も目立ちます。実習関連の話から普段の話、休憩中も実習中も笑顔が絶えません。伝統を次に繋ごうとするからこそ、このゼミでは単なる学びだけでなく、同時に尊敬できる仲間と一生ものの思い出を得られる場所になっています。
まとめ
いかがだったでしょうか?京都ではこのように、キャンパスの枠を飛び出した京都ならではの学びが展開されています。「伝統が残る場所だからこそ、他とは違う学びが得られる。」というのが、私の率直な感想です。「目立ちたくない」「恥ずかしい」、色々な葛藤があるかと思います。私自身、目立つような学生ではなく、高校時代はどちらかというと大人しい学生でした。しかし、このゼミでの活動を通して、尊敬できる先輩たちや頼れる同級生、支えてくれる後輩たちに囲まれて、自分自身大きく成長できたと感じています。葛藤を乗り越えて辿り着いた先には、きっとそれまで知らなかった光景が広がっています。ぜひ皆さんも京都でそのような仲間や思い出、自分自身を見つけに来てください!

(文 京都産業大学 文化学部 三島仁葉)












