【日本アカデミー賞受賞】安田監督が審査員!京都に惹かれる瞬間を描け!大学生の動画コンテストを開催

もくじ
コンテストについて
2025年2月22日、「第1回Focus on Kyoto 〜京都に惹かれる瞬間を描け!大学生ムービーコンテスト〜」の表彰式を開催しました!
このコンテストは、京都の大学に通う大学生を対象に、「あなたが見つけた京都の魅力・京都での学生生活の魅力」というテーマで、2024年11月から3か月間、動画作品を募集しました。
審査員には映画監督の安田淳一さん、NHK京都放送局のアナウンサー・プロデューサーを務める澗隨操司さんなどをお招きし、作品を評価していただきました。
なんと安田監督は、2025年3月に『侍タイムスリッパー』で日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀編集賞を獲得されました!
最優秀賞と特別賞(安田監督賞)をもうけ、最優秀賞は賞金5万円、特別賞は安田監督が経営する飲食店のチケットを贈呈!
授賞式終了後は、安田監督・澗隨アナウンサーとの交流会も開かれ、応募者からの質問はもちろん、一人一人の作品に向けた感想・アドバイスもたくさん伝えていただきました。
今回の授賞式と交流会の様子はNHK京都局が取材に来られ、ニュース番組などで放送されました。
授賞式の様子
京都学生広報部リーダーの挨拶で始まった授賞式では、まずそれぞれの応募作品を上映し、制作の代表者が作品の意図や工夫点などをプレゼン。その後、審査へと移りました。
上映された作品は、日常生活を撮ったものやCGを用いた作品、身近な場所に焦点を当てた作品など個性豊かな映像で溢れていました。
審査の結果、最優秀賞は、里泉さんの『Kyoto Makes Me 下を向いて、編』 に、特別賞(安田監督賞)は、髙瀬 舞さんの『きょーたくんと京都を知ろう!』に決定!
そして、授賞式にお越しいただいた応募者のみなさんに広報部員がインタビューをしました!
応募者インタビュー
・「京都に通う大学生のある日」
龍谷大学 中川結惟さん、中川涼介さん、畠中巧太さん
大学生が授業の後に京都の街を巡る作品です。
―このコンテストに応募したきっかけは何ですか?
コンテストは友達の紹介で知りました。応募したきっかけは、今まで動画制作をした経験がなく、挑戦してみたい気持ちがあったからです。
―動画のテーマについて教えてください。
「京都には自然も都会もあり、両方の魅力を伝えたい」と考えた時に、日常の様子を伝えれば京都の魅力をアピールできるのではないか、と思いこのテーマにしました。
―動画制作において大変だったことは何ですか?
1分の尺の中で、日常をまとめるのが難しかったです。撮影の際に雑音が入ってしまい、自分たちの声(セリフ)が使えない動画ができてしまったことも大変でした。
―実際に作品を作ってみて、新しい発見はありましたか?
鴨川でも撮影を行ったのですが、気軽にのんびりと散歩できる鴨川は一日中過ごせる場所だな、と改めて感じました。
―次に挑戦したいことはありますか?
映像制作をもう一度リベンジしたいです。
大変だったこととも被るのですが、撮影の際に雑音が入ってしまうことがあったため、次は音声にも気を付けて制作したいと思います。
・「KYOTO DRIFT」
瓜生山学園京都芸術大学 中井陽さん、藤井優輝さん
夜の二寧坂でのカーチェイスをCGを使って表現した作品です。
―このコンテストに応募したきっかけは何ですか?
大学のゼミでちょうど同じような尺の動画制作の課題があったため、ぜひ応募してみようと思いました。
―動画のテーマを教えてください。
昼間は多くの観光客で賑わっている二寧坂。それが夜になると一転して人が全くいなくなる光景を見て、昼と夜でこんなに変わるんだと思うと同時に、ここでカーチェイスができたら面白そうだな、と思いました。実際に二寧坂でカーチェイスをやるのは不可能に近いので、CGで表現することにしました。
―動画制作において大変だったことは何ですか?
CG制作はマニュアル通りに進めてもうまくできないことが多く、気合と根性で乗り切ったことです。
―実際に作ってみて、新しい発見はありましたか?
自分たちで作りたい作品を作ることができたので、意欲さえあればできることが多いことを実感しました。
―次に挑戦したいことはありますか?
来年大学を卒業するので、それまでに90分程度の長編アクション作品を制作したいと考えています。
・「鴨川のほとり」
京都市芸術大学 西川萌生さん
鴨川沿いに生息する草木・生き物に焦点をあてて、モノクロで撮られた作品です。
―このコンテストに応募したきっかけは何ですか?
大学にこのコンテストのポスターが貼ってありました。この春に京都を離れるので、引越しの前に最後の思い出作りをしたいと思ったことがきっかけです。
―動画のテーマを教えてください。
四条方面に行くときに、よく鴨川を通るのですが、京都の魅力が1番伝わる場所はここだ!と思い、鴨川をテーマにしました。
―動画制作において大変だったことは何ですか?
1分以内という制限があり、時間が限られている中で、それぞれの場面の長さをどうするべきか悩みました。
―実際に作ってみて、新しい発見はありましたか?
鴨川は日常の一部なので、どう撮ったらこれが魅力として伝わるのだろうとよく考えました。普段何も気にせず歩いているときに見えるものと映像に残るものでは、見えかたがかわります。そこをどう表現するかという新たな視点を得ました。
―次に挑戦したいことはありますか?
私は映像作品を作った経験がほとんどなく、初めてでした。今回の挑戦を機にもっといろいろな映像を撮ってみたいと思っています。
・「日常に隠れた小さな京都」
京都女子大学 竹原亜月さん
通学から普段の大学生活をVlog風に撮影された作品です。
―このコンテストに応募したきっかけは何ですか?
動画編集に興味があったからです。撮影から自分でやるのは初めてだったのですが、良い機会だと思い参加しました。
―このテーマにした理由は何ですか?
「京都での学生生活の魅力」を伝えるには、普段の大学生活の様子をまとめるのが一番伝わりやすいと思ったからです。
―動画制作において大変だったことは何ですか?
1分の制限の中で、一日の流れをまとめたことです。1コマあたり何秒にするのが適切かを何度も試し、しっくりくる秒数をコンマ1秒単位で考えるのが大変でした。
―実際に作品を作ってみて、新しい発見はありましたか?
普段は自転車を使って通学しているのですが、通学路を歩いてみると、自転車では気付かなかった昔ながらの和菓子屋さんや、小道があったことを知ることができました。
たまには散歩がてら歩いてみるのもいいな、と思いました。
―次に挑戦したいことはありますか?
今回は映像制作の知識が何もない状態で制作したので、もし次に作る機会があれば、基本的な知識を勉強してから作ってみたいです。
・「透明」
瓜生山学園京都芸術大学 平井春海さん
一人暮らしの大学生が銭湯に行くことで前を向く、ドラマ仕立ての作品です。
―今回のコンテストに応募したきっかけは何ですか?
大学で偶然このポスターを見つけ、作ってみようと思ったからです。
―このテーマにした理由は何ですか?
現在1回生で京都に来たばかりなのですが、慣れない一人暮らしのなかで、銭湯の心地いい雰囲気によって自分に向き合うことができ、良い影響をもらえていたからです。
―実際に作品を作ってみて、新しい発見はありましたか?
門構えがお気に入りの銭湯で、今回こうした動画を作るにあたって許可をいただく時、銭湯の方も学生に対して親切に対応してくださりました。こうした中で京都の銭湯は学生を温かく迎え入れてくれる場所なんだ、と気付くことができました。
―次に挑戦したいことはありますか?
今まで京都にフォーカスを当てたことが無かったのですが、日常生活の中で京都の魅力に目を光らせていきたいのと、今回のような京都に関わるイベントに積極的に参加していきたいです!
・安田監督賞 「きょーたくんと京都を知ろう!」
京都市立芸術大学 高瀬舞さん
京都タワーをモチーフにしたオリジナルキャラクターとともに京都の魅力を発見できる作品です。
―制作において工夫したことは何ですか?
専門の機材は持っておらず、スマートフォンを使って制作・編集しました。
自然や芸術作品に触れられる環境など、私の好きな京都の魅力をできるだけたくさん詰め込みました。動画は普段撮りませんが、どのようにすれば魅力的に写るかを考えて撮影しました。
―きょーたくん(動画中に出てくる、高瀬さんオリジナルのキャラクター)はご自身で描かれたのですよね?
はい。アニメやイラストに興味があって。普段から書いているわけではないのですが、今回、親しみをもてるように描いてみました。
―制作において大変だったことは何ですか?
動画編集は初めての挑戦で、動画に文字を入れたり、きょーたくんを切り抜いて入れたりするのが大変でした。
―今回の経験を基に活かしたいことはありますか?
私はインドア派なのですが、もっと色々な場所に行ってみたいと思うようになりました。
・最優秀賞 「Kyoto Makes Me 下を向いて、編」
立命館大学 里泉さん
常に前を向いていなくてもいい、下を向いていたっていい、というメッセージが込められた作品です。
―作品のインスピレーションはどこから受けましたか?
最近、テレビなどでよくオーディション番組を目にする機会があるのですが、参加者が落ち込んだ時に、「前を向いて」という言葉をよくかけられていると思います。私は、必ずしも前を向く必要はないし、下を向いていてもいいんじゃないかな、と思っていました。実際、作品作りのために街を歩いていると、前を見ていたら見えないようなものがたくさん見えてきて、これだ!と思いました。
―制作において大変だったことは何ですか?
(道を歩く足元が続く動画で、)歩いている部分を繋ぎ合わせた時に背景や足の大きさが変わらないように気をつけることです。1人で全ての制作を行っていて、特殊な機械も使っていないためひたすら手を固定して様々な場所を歩き続けました。
―実際に作ってみて、新しい発見はありましたか?
京都の魅力は、寺社仏閣とか建物などに焦点が当たりがちです。私も普段前を見て歩いているので、20年間住んでいる街で初めて下を向いて歩くことで、道の案内や人々など、地面にもこんなに魅力があるんだ!と驚きました。
―今回の経験を基に活かしたいことはありますか?
大学で映像を学んでいるのですが、4回生になる来年は卒業制作があります。私は舞妓さんが好きなので、舞妓さんを取り入れた40分尺の動画を作りたいです。また、京都に住んでいる人と一緒にユニットを組んで京都の魅力を発信する動画をTikTokなどで配信していく予定があり、ここでの経験はそれに向けての良い学びになりました!
審査員の方々の講評
・安田淳一様(映画監督・プロデューサー)
映画監督を目指している人から初めて映像を作った人まで、バラエティに富んだ参加者の作品を拝見できて、とても楽しかったです。
来年以降も継続するのであれば、部門も縦型・横型・生成AI部門など多様な部門を作ることで、より多くの作品が集まって面白くなるのではないかと思いました。
・澗隨操司氏(NHK 京都放送局 コンテンツセンター副部長)
発想がユニークで、面白い作品が多かったです。
今回は1分という制約で大変だったと思いますが、3分でも5分でもいいのでまずは作品を作る面白さをぜひ感じてほしいです。
これが最終的に趣味で作るのではなく、放送業界や映画業界などの業界に関わるような、夢を持ってもらえると非常に嬉しいです。
皆さんにはそれだけの力があると思うので、ぜひ自信を持って臨んでもらえればと思います。
交流会
続いて行われた交流会では、応募者が安田監督・澗隨アナから、それぞれの作品の良かった点や、のびしろについてお話いただきました。
作品の制作中に大変だったことや工夫に対し、安田監督自身が「自分なら」という視点でアドバイスをする場面もありました。
さらに、事前に授賞式に出席する応募者の方々からいただいた、安田監督に向けた質問にもたくさん答えていただきました!
安田監督の人生についてや映像作品に関する話題だけではなく、農業の話題まで詳しくお答えいただき、個別質問にも丁寧な回答をいただきました。
すべてに答えていただく時間はなかったものの、どんな質問にも真摯に向き合って答えていただき、とても貴重な機会となりました!
最後に
今回のコンテストには、初めて映像を制作する人から、映像について専門的に学んでいる人まで、様々な大学生の応募がありました。
それぞれの視点から「京都の魅力」を伝える作品はどれも魅力的で、動画だからこそ伝えられるメッセージの力を感じました。
受賞された皆さん、おめでとうございます!
また、審査員の方々や応募してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
(同志社大学 文化情報学部 齊藤夏帆)