嵐山で開催中!東山魁夷と風景画の旅、アイラブ百人一首

2025年1月31日、福田美術館の「東山魁夷と風景画の旅-日本から世界へ-」と、嵯峨嵐山文華館の「アイラブ百人一首」の報道内覧会が行われました!そこで、京都学生広報部の部員が取材に参加し、作品を鑑賞してきたので、その模様をお伝えします!
もくじ
福田美術館と東山魁夷
福田美術館は嵐山にあり、2024年10月で開館5周年を迎えました。伝統的な京町屋のエッセンスを踏まえつつ建築された建物で、渡月橋を見ることができるカフェもあります。
今回の展示は、日本各地を旅して自然が織りなす景色を丹念に描いた画家、東山魁夷(ひがしやまかいい)を中心に、日本と西洋の風景画に注目しています。京都の修学院離宮を描いた≪夕涼≫や円山公園の祇園しだれ桜を描いた≪花明り≫などの名作も特別展示されています。
東山魁夷と風景画の旅

今回の展示では、東山魁夷が日本と欧州を旅して描いた風景画が一堂に集まり、その芸術の神髄を見ることができます。魁夷は旅行好きで、様々な場所を写生しました。
展示では、近世から近代にかけての日本画家たちが残した風景画を中心に、彼らが見た世界の情景に迫っています。また、戦後の日本画における色彩の変化に焦点を当て、西洋絵画に負けない存在感のある画風を探求した魁夷と同世代の画家たちの作品も展示中です。ガラスを使用した「新岩絵具」の多彩な表現や東山魁夷の作品でしばしば用いられる青色の「東山ブルー」を見ることができます。
嵯峨嵐山文華館と百人一首
嵯峨嵐山文華館は百人一首の歴史と日本画の粋を伝えるミュージアムで、こちらも嵐山にあり、福田美術館のほど近くにあります。
今回の展示では、百人一首に詠まれた景物を思い起こすような近世から近代にかけて描かれた日本画を観ることができます。
百人一首の成立以降、長きにわたり愛され続けてきた百人一首の魅力と、移ろいゆく季節や変化に富んだ景色を愛おしみ、その感動を歌に託した歌人たちに思いを馳せたくなるような展示構成です。
アイラブ百人一首

ここでは、和歌が盛んに詠まれた平安時代以降の宮中風俗を描く作品が展示されていて、時代背景や画題を身近に感じられます。また百人一首には、今を生きる私たちの心にも響くような恋愛にちなんだ和歌が多く、それらの和歌とキーワードとなる言葉などを視覚化した絵画も紹介しています。さらに、和歌自体がコミュニケーションツールとして親しまれてきたことが分かるような絵の展示もありました。
鮮やかな風景画の旅と百人一首の世界
「東山魁夷と風景画の旅―日本から世界へー」では、クロード・モネなどの印象派の作品から影響を受けた日本画独自のぼかしの技法である「朦朧体(もうろうたい)」を見ることができ、空気や遠近法を描く工夫がとても面白いと感じました。また、「東山ブルー」の作品や他の日本画家の美しい色彩の絵画もとても美しかったです。
「アイラブ百人一首」では、学校で聞いたことのあるような和歌の情景が伝わってくるような絵画が展示されており、より百人一首を身近なものに感じました。
皆さんもぜひ足を運んでみてください!
(立命館大学 産業社会学部 井上日菜里)