学生ライフ

【人を知り、自分を知る】 福祉系学科って何するの?現役学生が紹介!

【人を知り、自分を知る】 福祉系学科って何するの?現役学生が紹介!
この記事をシェアする

呼び方いろいろ福祉系学科

こんにちは!
突然ですが、みなさんは文系と言えば何の学問を思い浮かべますか?
文学?法学?それとも経済学でしょうか?
今回この記事で紹介するのは、このどれでもない少しマイナーな学問である福祉学です。
大学では福祉系学科として社会学部に入っていることが多いです。

この福祉系学科、学べることはほぼ同じですが、大学によって名称が少しずつ違います。筆者が現在所属しているのは、京都府立大学公共政策学部福祉社会学科です。(名前が長いですね……)。
筆者の併願先だけで言えば、
立命館大学なら 産業社会学部人間福祉専攻
同志社大学なら 社会学部社会福祉学科
が福祉系学科にあたります。

今回は私の所属大学における福祉系学科の紹介になりますが、大学で福祉を学びたいと考える高校生のみなさんの参考にしていただけたらと思います。
また、この記事で大学生のみなさんにも、福祉系学科の学生が何を学んでいるのか知っていただけたらうれしいです。

前置きが長くなりました。ではさっそく福祉系学科について見ていきましょう!

 

福祉系学科で何ができる?

簡潔に言うと、福祉系学科では、国家資格である社会福祉士の受験資格を得ることができます(大学によって異なる場合もあります)。
もちろん、社会福祉士の受験資格をとらないという選択も可能です。その場合は取る授業が異なります。
また、受験資格を得て試験に合格したとしても、必ず福祉系の仕事に就かなければいけないということもありません。同級生の中には、資格取得後、地域や病院のソーシャルワーカーとして働くことを目標としている人もいますが、私は一般企業での就職を希望しています。

 

大学在籍中に社会福祉士の受験資格を得て、社会福祉士の資格を得るには条件があります。その条件とは、

①指定された科目をすべて取りきること
②60時間と180時間、機能の異なる2施設であわせて240時間のソーシャルワーク実習を行うこと(例:病院+身体障碍者福祉センターの実習で計240時間)

この条件を満たせば、社会福祉士の受験資格を得ることができます。
受験資格を得たとしても、試験に合格しなければ社会福祉士の資格は得ることができません。昨年度の社会福祉士の試験は2月上旬に行われました。

この二つの条件は、どちらも満たすのは大変です。指定された科目は本来の大学の必修科目にプラスされるため、2回生までは必修科目で時間割がほとんど埋まってしまいます。
次では、現在3回生の筆者の時間割を1回生から順に公開します。

 

福祉系学科の時間割

1回生は、必修は少なめで緩やかにスタート


1回生前期

※マークされている科目が社会福祉士の必修科目です。それ以外に大学が指定した必修科目もありますが、今回はマークしていません。

必修が木曜になかったため、全休(全く授業がない日)を作ることができました。この時点では、社会福祉の必修科目は1つでした。また、コロナ明けすぐということもあり、オンラインの授業がまだ残っていました。

 

1回生後期
集中講義:心の健康

前期より必修が増えて2つに。火曜がフルコマ(授業が1~5限まですべてある日)だったことが辛かった思い出です。

 

2回生前期は最も過酷?ほぼ必修科目

2回生 前期
集中講義:※保健医療と福祉

この学期が一番大変でした。見ての通り、必修科目が圧倒的に増えました。集中講義も必修科目です。また、大学指定の必修科目もあり、この学期で自分が希望して取った科目は16科目中3科目のみ。

この学期で取得した単位数はなんと30単位!頑張りました。
実は、履修登録時の単位の取得上限は26単位なのですが、前学期のGPA(成績)が3.0(基準は学科ごと違います)以上になると、CAP開放と言って、単位取得上限数が上がります。
これは府立大学独自の制度のようで、この制度を利用して最大32単位取っている同級生もいました!

 

2回生後期
前期とはうって変わり、授業数が減りました。この時期から実習を意識した授業が始まります。2回生の冬頃に、実習に行くかどうかの最終確認がされます。それまでは、社会福祉必修の授業を受けていたとしても、実習に行かないという選択もできます。

 

3回生は必修科目が減って空きコマの活用が重要に

3回生 前期
だいぶ取る授業が減ってきました。現在は週に2日全休があるため、アルバイトやTOEICの勉強、就活にいそしんでいます。

3回生後期以降も、社会福祉士の必修科目は残っています。
また、実習後も実習報告会があるため、気は抜けません。

 

リアルな福祉の現場を知る、社会福祉実習

先に説明したとおり、社会福祉士の受験資格を得るためには、2つの施設において、障害・高齢・児童・地域の4分野で60時間と180時間、計240時間のソーシャルワーク実習が必要となります。
実習先によって実習内容は様々ですが、職場体験ではないため、実りある実習が求められます。

 

現在私は60時間実習を終え、夏に行われる180時間実習に向けて事前学習を進めているところです。実習では日々の記録をつけなければならないため、記録技術の向上にもつながります。

プライバシーの観点から、詳しい実習内容は言えないのですが、私は障害者自立訓練施設で職員や地域の方からお話を聞いたり、実際にプログラムに参加したりしました。

 

福祉とはどんな学問か

 

3年間福祉系学科で過ごした私にとって、福祉とは人を知り、自分を知る学問だと思います(あくまで私の体験からです)。

福祉というと、誰かを助ける、というイメージを持たれがちで、実際にそうだとも思います。しかし、誰かを助けるには、前提としてその‟誰か”について知る必要があります。
授業の中では、その支援者を知る・理解する、というフェーズについても学びます。

人を知ることは全てにおいて必要なことであり、その必要なことを一番学べる学科は、福祉系学科だと私は思います。

実際、実習に行き自分の知見の狭さに気づかされました。実習を経験して、人を知ったうえで、自分についても知ることができたのです。それはいわゆる、自己覚知というものです。この自己覚知は、これから社会で生きていくうえで、重要なものだと思います。

福祉を学んでいると「えらいね」という人がいますが、私はそうは思いません。少なくとも私にいたっては、自分のために学んでいます。
そしてこの自分のために学んだ学問が、時を経て誰かの役に立ったらいいと思っています。それは福祉の現場でなくても、仕事というくくりでなかったとしても、自分を助け、誰かの役に立つと思います。

 

ここまで福祉系学科について紹介してきました。少しは解像度が上がったでしょうか。
福祉という学問は、様々な可能性を含んだ学問です。もし興味をもっていただけたらとてもうれしいです!

 

大学受験を目標に頑張っているみなさん、応援しています!頑張ってください。

 

 

(京都府立大学 公共政策学部 遠藤彩花)

この記事を書いた学生

遠藤彩花

遠藤彩花

京都府立大学 公共政策学部

好きなおにぎりは焼きおにぎりです。