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京都女子大学卒業生珠久結帆さんに聞く!“何もない”から創る自分とは

こんにちは。

突然ですが、皆さんは自分を“何もない”と思ったことはありませんか?
また、周りの人と比べてしまって、自己嫌悪になったり、心がしんどくなったりすることはありませんか?

実際、誰にでもこのような経験はあると思います。
将来を具体的に見据えるようになり、自分自身と向き合う機会が増える大学生ですが、
上手く自分と向き合う方法はあるのでしょうか?

自分を本当の意味で認め、好きになれるのでしょうか?

今回はそんな“何もない”について考え、
想いを伝えたい、誰かに寄り添える人になりたいという強い思いから行動を起こした先輩にインタビューさせて頂きました!

珠久結帆(しゅくゆいほ)さん
京都女子大学現代社会学部卒業生
2021年 大学4回生の時にファッションブランドRiEN(リヤン)創設。
結帆さん自身がデザインを手掛けるTシャツを販売。
現在は大学院に通いながら、Tシャツ販売を中心に様々な創作活動を行う。

“何もない”を武器に。オリジナルで立ち上げた「RiEN」とは?

――早速ですが、ファッションブランドRiENを立ち上げた理由を教えて下さい。

何かを伝えられる人になりたいと思ったからです。立ち上げの理由をお話するためには、ファッションブランド名のRiEN(リヤン)の由来についてもご説明したほうが良いかと思います。
RiENとは、フランス語で「何もない」を意味します。平凡で何もない“無”の状態だからこそ何にでもなれる可能性を秘めていると思います。
そこから生まれたものを誰かに届けたいという思いを込めて名付けました。

RiENは“人間っぽい”ものをテーマにして作っているんですけど、嬉しいとか悲しいとか人が生きていく上で芽生える感情みたいなものを元に絵を描いています。
気分が落ち込んだ時にちょっとでも寄り添えるようなモノが作れたら良いな、誰かに何か伝われば良いなと思って始めました。

私自身、人の心が軽くなるような言葉や助けられるような言葉は言えないし、その言葉がどんなものか分からないけど、人に共感したり寄り添ったり、私の考えを伝えることはできるから。
SNSが普及している時代だからこそ、同じ感情になっている知らない誰かがRiENを見つけて、「これを持っていたら大丈夫かも」、「自分に優しくしてあげよう」って思ってもらえるような、誰かの味方みたいなものを作りたくて立ち上げました。

――私も(RiENの商品を)着ているんですけど、 RiENの商品って深い想いがこもっていると感じます。植物をモチーフにした独特なタッチの絵が特徴的ですが、絵は昔から得意なのですか?

小さい頃からお母さんがお絵描きさせてくれていたんですけど、そんなに得意というわけではなかったです。高校生の時にコールセンターでバイトを始めた頃に、ストレスからなのかぐちゃぐちゃ絵を描き始めて……。そこから形成されていきました(笑)。

――ご自身が描く絵について、何かに影響を受けられたのでしょうか?

ヒッピーアート(※)が好きですね。自分の絵に色を入れる時に、作品を観ることがあります。
※ヒッピーアート:鮮やかなコントラスト、華やかなレタリング、強く対称な構図、コラージュ要素、歪み、ちょっと奇妙な画像、鮮やかな色彩などが特徴的。

――RiENを立ち上げる前からTシャツなどの制作を手掛けていたのですか?

友達と一緒に別の名称で趣味としてやっていました。それが始まりかな。
「こういうの欲しくない?やろうや!」みたいな、ほんとに軽い感じで(笑)やってみようや!って感じでした。

一緒にやっていくうちに、私は職にしたいと思ったので、今は一人でやっています。

――就職には興味がなかったのですか?

インターンにも行きましたが、自分でできるかなって思っちゃって(笑)。
教職課程をとっているから、先生にもなりたいし、RiENもやりたいし。今は大学院で学びたいこと学んでから決めようかなと思っています。

“何もない”に向き合えたきっかけ

――お話を伺うほど、結帆さんは行動力があって、しっかり自分と向き合っていらっしゃるなと感じます。そんな結帆さんが“何もない”をブランドの武器にしようと思ったのはどうしてですか?

RiENはフランス語で“何もない”を意味する言葉なんですけど、元々これを名付けたのはお母さんなんです。私は人と話す時にあんまり感情を出して話さないから、みんなに結構“無”って思われていて。それが結帆っぽいっていうことから始まって、“無”から連想して“何もない”っていうのがRiENの名前の由来です。“何もない”から連想ゲームをして。
“何もない”。じゃあ何ができる?って。白いキャンバスなら何色にもなるっていうのと同じで、“何もない”から何にでもなれるんじゃね?って。

――なるほど!でも結帆さんなら絵が描けるじゃないですか。私はほんとに何もなくて(笑)。

今やってるやん!インタビュー。
なんでも良いと思うよ。例えば、今回のように取材をすることで得られる経験こともあるし、今まで出会わなかった人とも繋がるし、繋がっていくことで世界が広がっていく。何かやり始めるのが大事!動かなければ何も始まらないと思います。

“何者にもなれない”とは

――RiENを立ち上げた際のInstagramの投稿に書いてあった“何者にもなれない”とは、どのような意味ですか?

例えば、「あんな風になりたい」と憧れている人がいても、実際は理想通りにはいかないことも多いですよね。“ただの大学生”の私たちは他の人と違う能力があるわけでもなく……。
でも、安定だけを求めて進んでいくとやりたいこともできないし、自分らしく生きていけないと思うんです。
だからこそ、まずは自分で自分を肯定してあげないと“何者にもなれない”。そういうメッセージを込めて書きました。

――では、結帆さん自身が自分を肯定することができなくて気持ちが落ちた時はどうしていますか?

私はLINEとInstagramとTikTokとかSNS系を全部削除する(笑)。
LINEにどれだけスタンプや着せ替えがあってもアカウントごと消します。

普段はイラストを描いていて注目されている人を見ても「私にもできるし」という感情がエネルギーになるんですけど、気分が落ち込んでいる時はもっと頑張らなあかんのかなって思ってしまうから。

そんな時は、携帯とさよならしてできるだけ情報を遮断して、自分のことだけをめいっぱい考える時間をつくっています。
そして、元気になってきたら、自分が尊敬している人やお母さんに自分の気持ちを話します。

ほかにも、映画を観て答えを見つけたり自分の気持ちをノートにいっぱい書いたりして、アナログ方式で解決しています。

周りの目と友達の存在

――ご自身の活動に関して、周りの目が気になりますか?

なります。SNSで発信して、ネガティブな意見を見つけると、どれだけ「良いね」って言われていても気になってしまいます。
そういう時に「気にすんな」って言ってくれる友達の存在は大きいなと思います。

――そうなんですね。私は何事も自分で決めてしまうタイプなのですが、結帆さんは友達に相談することも多いのでしょうか。

私は自分が「この人の話なら聞ける」という人に相談しています。憧れの人とか尊敬できる人に。そういう人に自分の考えを聞いてもらったり、「あなたならどうする?」と尋ねてみたり。

最終的には自分で決めるけど、自分にはない意見を聞くことで選択肢が広がります。「そういう意見もあるのか」、「こう思えば良いのか」って気づくこともできます。
自分が考えていたものと違う意見や考えが出てくることも多いので、誰かに話すことは大切だと思います。

――考え方や選択肢を増やすという意味ですね。そして、最後は自分で決める。

そういうことです。

――憧れの人に話を聞くって良いですね。

憧れの人に教えてもらって、自分と融合できたらもう勝ちやから(笑)。

京都女子大学での学生生活について

――ここから話が少し変わるんですけど、なぜ京都女子大学に進学したんですか?

通っていた高校が姉妹校で選びやすかったことと、興味のある部活があったからです。

――では現代社会学部を選んだ理由は?

高校の時に「現代社会」っていう教科があってそれが面白くて。今の自分と関係があること、例えば政治とか性差別についてとか、それについて「おかしくない?」とか「もっと知りたいな」って思うようになって。リアルに考えられるものが好きなので現代社会学部を選びました。

――ちなみにゼミでは何について学んでいましたか?

ダンゴムシについて学んでいました。
好きな先生が動物行動学を研究していて、その先生のゼミでダンゴムシについて研究していたんです(笑)。

――今まで受けた中で面白かった授業とかありますか?

2つあります。一つは教養科目の環境系の授業。映画を絡めて生き物の話をする授業がありました。京女生なら誰でも受講できるからおすすめ!
もう一つは生命倫理学。関係ないと思っている問題も意外と身近で起こっていたり、自分にも関係があったり、生命倫理の授業を受けないと知ることがなかったことが多くあるので面白かったです。

――京女に行って良かったですか?

良かったです。良い先生に出会えたし、多くの人に出会うことができました。
京女の平和な雰囲気も好きです。
人見知りなので、入学した頃は「4年間一人でいよう」って思っていたくらいでしたが、学籍番号が近い人たちと仲良くなって、一緒に授業受けていくうちに、気が付けば遊びに行く友達ができました。あとは部活の子とも仲良くなりました。

友達って縁があれば自然とできるものなので、作ろうと思わなくても良いんだとわかりました。

結帆さんのこれから

――最後に結帆さんのこれからについて聞かせてください!

ずっと楽しくいたいなって思います。楽しいことややりたいことをし続けるためには、必要最低限のやらなきゃいけないことがあると思うので、頑張っていこうと思います。

それと、いろんなところに行こうと思う。大学院を卒業したらワーキングホリデーに行こうと思っています。一つの場所に留まらず、違うところに行って刺激を受けたいし、活動的な人間になろうと思います。

――結帆さんの言う、“楽しい”ってなんでしょうか?

ワクワクすることでしょうか。「うっわ良いやん!やりたいやりたい!」ってなることです。

――つまり、今の結帆さんにとって楽しいことがRiENなんですね!

インタビューを終えて

いかがでしたか?

インタビューをしていて、結帆さんのRiENに対する強い想いが伝わってきました。

私も、自分に対して悩むことが多いのですが、せめて自分だけでも自分を認めてあげたいと思いました。
また、結帆さんのように楽しいと思える“何か”に出会うために、私も動くことから始めます。
この記事を読んでくださった方にとって、将来や自分について考えるきっかけになれば嬉しいです。

RiEN ショップサイト: https://ningen.official.ec/
RiEN 公式Instagram: _rienofficial_

(京都女子大学 現代社会学部 遠藤七瀬)
(同志社大学 法学部 原田愛菜)

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