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【同志社大学ってどんなとこ?】キャンパスから見る京都の歴史

(同志社大学今出川キャンパスを代表する建物の一つである「良心館」。手前にある石積みのようなものは昔の水路の跡です)

こんにちは、西野です。突然ですが、みなさんは大学のキャンパスにどんなイメージを持っていますか?もしかすると「風格がある」「歴史の重み」というイメージを持っている人もいるかもしれませんね。

京都には歴史ある大学が多くありますが、同志社大学もその一つです。今回は同志社大学の今出川校地にある歴史スポットを「洋館」「室町」「ミステリーツアー」という3つのキーワードをもとに紹介していきたいと思います!

同志社といえばやっぱり洋館!


(クラーク記念館です。中にはチャペルなどがあります)

多くの人が「同志社大学」と聞いて思い浮かべるのはやはり赤レンガの洋館ではないかと思います。

同志社大学には明治から平成、令和までを含む幅広い時代の建物があり、中には重要文化財や登録有形文化財に指定されている貴重な建物もあります。「良心館」や「寒梅館」といった新しい建物にも赤レンガが使われており、レンガ色は同志社大学を象徴するカラーの一つといっていいと思います。

ちなみにレンガの積み方には「イギリス積み」(長辺の層と短辺の層を交互にして積む)、「フランス積み」(1つの層でレンガの長辺と短辺を交互に積む)など様々ありますが、「彰栄館」など同志社大学の一部の建物には「アメリカ積み」(基本的に長辺を5~7段積み1段短辺を挟む)という珍しい積み方が使われています。いつかキャンパスを散策しながら探してみるのも面白いと思いますよ!


(今出川キャンパスを東西に走るパーパスロード)

そんな今出川キャンパスはドラマのロケ地としても利用されています。もしかしてこの風景に見覚えはありませんか?

この写真はNHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』の撮影が行われた頃のものです。ドラマの撮影はキャンパスの目抜き通り「パーパスロード」や写真左側にある「ハリス理化学館」などで行われました。

京都では映画やドラマの撮影が多く行われています。皆さんもキャンパスのどこかで撮影に遭遇することがあるかもしれませんね!

「室町」って、どこ?


(室町キャンパスの「寒梅館」。レストランや大学院、ホールなどが入居しています)

「室町幕府」という単語は日本人の大半がご存じだと思います。では「室町」って一体どこ?と聞かれると、知らない人も多いのではないでしょうか。

実は「室町」とは室町幕府の三代将軍足利義光が政治を行った「花の御所」があった場所のことで、現在の室町キャンパスや南側の大聖寺門跡さんあたり(地図中央)にあったそうです。


(今出川キャンパス周辺の地図。© OpenStreetMap contributors、詳細はこちら

ところで、高校で日本史を選択している人は「京都五山」という言葉を聞いたことがあるかも知れません。室町幕府が指定した大きな五つの寺院のことですが、相国寺さんもその一つです(地図右側黄線)。

実は今出川キャンパスはもともと相国寺さんの敷地の一部でした。そのため寺院の跡があちこちに残っています。たとえば良心館の一階ラウンジそばにあるこの場所です。

昼間は授業の合間の移動、夕方以降はサークルの会合や勉強などで賑わう場所ですが、ここには建設工事の際に発見された出土品や仏堂の柱の基礎が展示されています。

ガラス張りの部分が柱の土台があった場所です。ここから柱が伸びているのをイメージすると室町時代のイメージが湧くかもしれません。

その後、幕末には薩摩藩がこの地に屋敷を構えました。そのため良心館には薩摩藩邸時代の遺構も展示されています。

新町キャンパスは「ミステリーツアー」


(学生会館中庭の石列跡)

今出川キャンパスより少し西側、社会学部・政策学部、学生会館などが入居する新町キャンパスにも史跡があります。新町キャンパスの敷地は名門貴族・近衛家の屋敷があった場所で、かつては「桜の御所」と呼ばれた場所です。いまでも「近衛殿表町」という地名が残っています。

新町キャンパスの史跡は看板などが設置されておらず、ミステリーツアーのような形で史跡が展示されているのが特徴です。

たとえば上の写真は学生会館にある石列の跡ですが、さりげなく展示されているので、ぱっと見で史跡だとわかる人はなかなかいないと思います。

ここは新町カフェテリアの前です。よく見ると左下の方(縦線と横線が交差するあたりです)に柱の跡を表す円があります。これは柱の跡だそうです。

新町キャンパスには、ほかにも「日本電池発祥地」の碑、旧臨光館の外壁、近衛文麿氏の揮毫による「近衛家旧邸址」の石碑、北側を通る持明院大路(現在の上立売通)の溝の跡などが展示されています。あなたはいくつ見つけられるでしょうか?

学問の成果でキャンパスを彩る


(ハリス理化学館です。ときどき考古学関連の展示も行われます。)

同志社大学では昔から考古学の研究が盛んに行われており、学内で工事を行う際には歴史資料館などが発掘調査を行ったうえで、その成果をキャンパス内や京田辺キャンパスにある歴史資料館などに展示しています。

自分たちの学校の敷地を自分たちで調査し、その成果をキャンパスづくりに生かしていくというのは大学ならではといえると思います。

また、同志社大学といえば「キリスト教」や「西洋」のイメージが強いと思いますが、貴族の邸宅や、室町殿、薩摩藩邸が置かれた場所で、日本の歴史が形作られた現場になります。キリスト教主義を掲げながら、京都の文化や施設も大切にするところは同志社の「良心」といえるのかもしれません。

そして、大学生活の中で歴史を意識する機会が多いことは京都の大学生活の魅力の一つといえると思います。どの地域にも歴史はありますが、京都には教科書や修学旅行で見るような有名スポットが多く、そこをきっかけに歴史に興味を持ちやすい面はあると思います。

歴史の街・京都には金閣寺に近い立命館大学、妙法院や三十三間堂に近い京都女子大学など歴史スポットに近い大学も多く、「古美術研究会」といった歴史関係のサークルも盛んです。

皆さんも京都の大学に来たなら、歴史に触れてみるのはいかがでしょうか?

※写真は全てコロナ禍以前に撮影されたものです。

 

(同志社大学 社会学部 西野洋史)

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