【京都市長に聞いてみた!】京都で学生生活を送る魅力とは
全国の中高生へ京都での学生生活をアピールする京都学生広報部が9月に発足しました。今日は門川大作京都市長に、京都というまちが、大学生にとってどういうまちなのかを聞いてきました!
今回の取材メンバーは
左から
インタビュアー:今井
カメラマン:宇高
インタビュアー:堀野
門川大作市長 プロフィール
1950年11月23日、京都市生まれ。
立命館大学2部法学部卒。京都市教育長を経て、2008年2月より第26代京都市長に就任。
市民、現場の声に徹底して声を傾け、率直に語り合っている。
好きな言葉は「心を込めてすべてを大切に」
もくじ
1000年の歴史とあらゆる人間力、地域力…これが学べる。
今井:私たち京都学生広報部は、全国の中高生に京都で大学生活を送る魅力を伝えたいと思っているのですが、市長は、京都で学生生活を送ることでしか味わえない京都の魅力はなんだとお考えですか?
市長:1000年の歴史と、あらゆる人間力、地域力やね。
今井:人間力、地域力といいますと具体的にどういったことでしょう?
市長:いま私が尊敬する哲学者が「100年の真理は東京で学べ。1000年の真理は京都で学べ」とおっしゃっていた。この1000年を超えてきた人間の生き方とか知恵、感性、そして自然との関わり、これが重層的に重なっている。これが学べる。
堀野:京都のまちを見渡したとき、お寺や職人さんが当たり前のように存在していますもんね。
市長:それから、京都それ自体の魅力だけやなくて、世界とつながっているところもまた京都の魅力や。
今井:私が通っている大学にも留学生が多いですし、まちなかで外国人観光客もよく見かけます。京都が世界から注目を浴びている証拠ですね。
市長がもし18歳の大学生に戻ったら?
今井:突然ですが、市長がもし18歳の大学生に戻ったとしたら、どんなことをしてみたいですか?
市長:京都学生祭典の実行委員長をやってみたい。いや京都学生広報部のリーダーかな(笑)。学生祭典は京都の最高のお祭り!毎年テーマを設定していて、たとえば東日本大震災の支援とか、子どもたちに京都で学ぶことの楽しさを知ってもらうこととか…。そして今年は国際化をテーマに留学生と一緒に取り組んでいる。そういうことを大学の枠を超えて学生さんがともにやっていることが本当に素晴らしいことやと思う。
今井:学生祭典のように、京都では学生が主体となって動きだすことが多いですよね。僕たち京都学生広報部もそうなんですけど。
市長:そやね…今度の日曜日かな、学生祭典の実行委員長をやっていた子の結婚式に出席する。もう学生祭典の役員の結婚式には何回も出席してるんやけどね。いずれ今井君の結婚式にも行くわ。
今井:あっ、ありがとうございます。頑張って結婚しなきゃ(笑)。
堀野:え、結婚式…私のところにも来てほしい(笑)
「できるだけ若いときに本気で学べ」進路選択のアドバイス
今井:市長は高校卒業後に市役所勤務という進路を選ばれたそうですね。その進路を選んだ経緯や理由を教えていただいてもよろしいですか?
市長:昭和44年に学生紛争で東大の入試がなくなって受験できなかったから…というのは冗談(笑)。東大の入試がなくなったことは事実やけど、ほんまの理由は、学生運動で、大学の教育現場が混乱していて、大学で学ぶ意義が理解できなかったから。そういうわけで受けた京都市役所にたまたま採用されて、たまたま教育委員会に配属されたんやけど、仕事で教育に関わるなかで、やっぱり自分も学ぶことが必要やと思って、立命館大学の夜間部に入った。
堀野:どんな選択をしても自分のやりたいこと、自分に必要なことはなんだろうって考えることは大切ですよね。
市長:そう。夜間大学に通いながら京都市役所で働いていたときは毎日学校と市役所を行ったり来たりで、とても忙しい時期やった。同時に濃密な時期やったね。そういう時期があったからこそ、今は「忙しい」と書いて「たのしい」と読むことができる。
今井:働きながら、大学に通われていた門川市長だからこそお伺いしたいのですが、いま全国の中高生のなかには、進路について悩んでいる人も多いと思うんです。そんな中高生へ市長から何かアドバイスをいただけますか?
市長:大学で学んだ方がいい。できるだけ若いときに本気で学ぶことが大事やね。かじれる親のすねはかじり倒したらええんやから!
堀野:まさに今の私ですね…(笑)
全国の中高生へ、メッセージボードに込められた思い
今井:今日は、中高生に向けたメッセージをボードに書いていただいたのですが、このメッセージに込められた思いを教えてもらえますか?
市長:それぞれの大学で学ぶのは、もちろん大事なこと、それぞれの大学によさがあるんやから。けれども同時に、1000年の歴史、自然の恵み、世界とのつながりがある京都で、大学生をすることを存分に感じてほしい。まち全体が京都で大学生活を送ろうとする人たちを応援しますし、私も市長として全力で応援します!
堀野:学割が使えたり、いろんな施設を気軽に借りられるところからも、応援されてる感じが伝わってきます!
市長:京都というまちは伝統のイメージが強くて、確かに伝統の産業も多いんやけど、実は最先端の企業もたくさんあるし、最先端の研究もされている。
今井:たとえば京都大学もiPS細胞で有名ですよね。
市長:そうやね。しかも、伝統産業と先端産業は対照的に見えて根底ではつながっている。ルーツが共通しているんやね。1000年の歴史から未来へつながる縦糸と、地域かつ世界という横糸が編まれている。こんなことを普通に学べる京都は、やはり学生が生活を送るには最高の場所やと思う。
今井:昔からの伝統を身近に感じつつ、世界ともつながっている、そういうまちで僕たちは、さらに未来へ、世界へと糸をつむいでいかなければいけないんですね。
市長:そう、そういうことやね。
堀野:私たちも、新たな人たちを京都に呼び込むためにも、これからいっそう期待していただけるように京都学生広報部の活動をがんばっていきます。
市長:どうぞよろしく!
取材を終えたメンバー3人の感想
宇髙:カメラを通して、市長の優しい人柄が感じられました。初めての取材で緊張したので、市長の笑顔を見ることができたときはほっとしましたね。堀野さんと今井くんの真剣なインタビューがなんだかサマになっていました。カメラマンもいいけど、次はインタビュアーもやってみたい(笑)
堀野:結婚式に市長が出席してくれるなんてステキです。私の結婚式にも来てくれるかな…(笑)はじめは緊張したけど、市長がフレンドリーに話してくださるので、緊張もほぐれました。もっといろいろ話を聞きたかったなあ…また取材来よう!
今井:自分たちも1000年の歴史を紡いでいく一人になるってアツいですね。改めて京都というまちの歴史を感じさせられました。京都学生広報部のスタートとして、すごく背中を押された気分です。これから一生懸命頑張っていきます。
(立命館大学 産業社会学部 OB)