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コロナ禍の中で「大学ぼっち」が考えたこと

こんにちは。西野です。令和2年は新型コロナウイルス感染症の影響で自粛が続く1年になりました。多くの人が孤独を抱えた1年といえるかもしれません。
今回はそんな中で「ぼっち」が何を考え、実践してきたかについて書いてみたいと思います。

自分の頭で考える

(誰もいない祇園)

「新型のウイルスが流行中」とニュースで見たのは令和2年の年明けだったでしょうか。そこから先はあっという間。気づけばマスクが当たり前になり、外国人観光客が姿を消し、先輩方は袴を着られることもないまま卒業されていきました。生物の教科書で見た「PCR法」が日常語になる日が来るなんて誰が想像できたでしょう。

そんな中で、大学は閉鎖。キャンパスに通うことはおろか、他の学生に会うこともなくなりました。ある意味では「ぼっちの時代」になったのかもしれません。

たしかに「密」を回避することについて「ぼっち」は抜群の強さを発揮します。もともとディスタンスをとることに長けており、大人数での会食もしないので外出しても「密」になりにくいのです。

そんな「ぼっち」スキルの中でも、今回特に役立ったもの1つは「自律的に考える」ことだと思います。「ぼっち」は自律的にものを考えるところがあるからです。

コロナ禍の苦しみの多くは「見通しが立たない」ことではないかと思います。世界中の誰もが未経験のことなので、対処法を教えてもらうことができません。

先が見えない状況の中で、自分はたとえば新型コロナウイルスの何が問題か、「三密」を避けながらどう生活を送るか、データから見て今後どうなるかといったことを自分の頭で理解して自律的に考えることで少しでも「見通し」を確保できたと思います。

まだまだ不透明なことが多い中、自律的な判断が求められることは多いと思います。コロナ禍は不自由なことも多いですが、自分たちの力を高めるチャンスなのかもしれません。

世界をつなぎなおす

(京都の街角。本来は密な町内づきあいがあるところです)

また、今回のコロナ禍では「外出できない」ことへの怖さを感じる人もいたようです。特に通学路や教室などに親しんだ中高生の方々からすれば、コロナ禍は異常な状況かもしれません。休みの日に出かける予定がなくなった人も多いでしょう。

学科の関係もあって自分はひきこもり状態にある方のお話を聞くことも多く、ひきこもり生活についても以前から学んでいました。

ひきこもり状態で生活するコツはいくつかあると思うのですが、まずは身近なところに「つながり」を探すことが重要だと思います。具体的に言えば「徒歩圏の暮らし」を大切にすることではないかと思っています。

中高生の皆さんは実家におられる方が多いと思いますが、たとえばお家にはご家族がおられますし、地域にはご近所さんがいます。近所のスーパーなどにも人はいるはずです。外を歩けば木や鳥がいます。そういった「つながり」を育成し、ストレスを解消できる場所を見つければ案外暮らしていけるものです。

今後も不自由なことは続くと思いますが、今までのような生活が確保できないなら、この際世界をつなぎなおすのも一手だと思います。

「新しい学生生活」

(何がなくとも鴨川デルタ)

令和2年は「オンライン授業で学生が苦しんでいる」という話題をしばしば耳にしました。ただ一方では、学生と話をすると「オンライン授業がいい」という学生も多いのです。個人的な感覚ですが、大体半々という印象でしょうか。

確かにオンライン教育そのものは新たな学びの可能性を秘めたものだと思いますし、社会全体のデジタル化が進む中、「リモートワーク」に慣れておくことにも意味はあると思います。

では問題は何なのかといえば、授業形態そのものよりもこれまで当たり前に思っていた「学生生活」が失われたことではないかと思っています。仮に授業「だけ」がオンラインになったとしても、そこまで辛くなかったと思うのです。

今回のパンデミックで我々の「学生生活」は大きく変化しました。なかなか元の状態には戻らないでしょうし、戻すのがよいとも限りません。対人関係や健康問題など、そもそも問題を抱えていた人も多かったからです。

むしろ学生や大学、行政などが手を取り合って「新しい大学生活」を作っていくしかないのではないでしょうか。現在中高生の皆さんはその中核を担っていくと思います。コロナ禍の混沌とした状態はある意味チャンスなのかもしれません。

今後の授業形態がどうなるのか、就職状況がどうなるのか、分からないことだらけです。
それでもコツコツ生きていけば、いつの日か花は咲くと信じています。
時にはみんなで助け合いながら、なんとか生き抜きましょう。

 

(同志社大学 社会学部 西野洋史)

 

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