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#京都里山ぐらしー小野郷で里山暮らし体験ー

おじゃまします、小野郷

京都市では、北部山間地域への移住を促進するために、北区小野郷地域や右京区京北(けいほく)地域で,豊かな自然や伝統文化、温かい地域コミュニティなど、田舎暮らしの魅力を体験できる「田舎暮らし体験住宅」を提供しています。

今回は社会人になるまでの間のギャップタームに北区小野郷の体験住宅に移住し、7か月目になるという峰さんと高橋さんに、里山での暮らし方やその魅力についてお話を伺ってきました。

田舎暮らし体験住宅に移住した理由

峰さん(写真右):東京都出身、立命館大学を9月に卒業

高橋さん(写真左):神戸市出身、同志社大学を3月に卒業

お2人とも都会の出身で都会での生活しか知らなかったため、真逆の世界がどのようなものか体験してみたいと思われていたそうです。

(峰さん)大学3回生の時、この小野郷から少し北にある右京区京北町を拠点に活動するおじいちゃんたちと一緒に取り組む事業に参加しましたが、その際に体験住宅のことを知り、今までとは全く違う生活を生き方の1つの側面として自分たちも試してみたいと思いました。

―――どのような取組をされていたのですか?

京北地域は自然が豊かなので野菜や特産物が多いのですが、高齢化が進むにつれて農産物を作っても残ってしまうようになっているんです。なので残った農産物を活用してお弁当などを作り、京都の若い人たちに提供するという活動をしていました。作ったお弁当は立命館大学の広場で販売されることもあります。

この地域には4400人ほどの人が住んでいますが、ほとんどは高齢者です。40年ほど前にはたくさんいた子どもも今では随分と減ってしまい、廃校となった小学校も増えています。そうした小学校にあった立派な調理器具を活用してお弁当を作りました。

(高橋さん)峰さんから田舎に移住したいという話を聞いたとき、私はとにかく虫が嫌だと思いました(笑)

そもそも田舎への移住にあまり興味もなかったのですが、卒業後、何もせずに街中のアパートを出たり入ったりするような同じ生活をするのならこういう挑戦をしてみてもいいのでは?と思い、移住を決めてついてきました。最初はカメムシとムカデに悲鳴を上げてばかりでしたが……(笑)

―――え!ムカデも出るんですか!?

寝ていたら天井から落ちてきて腕の上にいることもあります。5月から10月までの間はムカデと戦っていました。(笑)

里山の魅力とは

 (小野郷の岩戸落葉神社にある大銀杏)

(峰さん)食べ物や水がおいしいというのはもちろんですが、それ以上に、足し算で物事を見ることができるようになったということがありますね。この家には断熱材などがないので冬は部屋の中でも寒いです。だからこそ日差しの暖かさをより強く感じます。技術が進歩・発展したおかげで穏やかに暮らせるようになっていますが、そうした中で感じることが少なくなっていた、暑さや寒さといった感覚的なものを感じることができるので、この暮らしは自分にあっているなと思います。ここは田舎とは言っても京都市の市街地の中心まで車で20分の距離です。私は仕事や活動の拠点は街中なので、今までの暮らしの形を少し変えただけで、田舎と都会のいいとこ取りをしながら生活することができています。

(高橋さん)リラックスして過ごせることが大きいですね。時計を見ることなく1日を過ごしたり、あとは毎日のエピソードが多いことですかね。先ほどもお話したようにカメムシやムカデが出たり、野花を摘んできたり、トイレが水洗ではなく汲み取り式なので3週間に一度汲み取り屋さんが来たり…。小さなことでも毎日発見があって楽しいです。

雨が降った後はたくさんサワガニが出て来て、車に轢かれてカニのせんべいみたいになっていることもあります。(笑)

―――サワガニは食べたりするんですか?

(峰さん)味噌汁にして食べようといつも言っているんですが、いざ味噌汁にしようとするとかわいそうになってしまい放してしまいます。

(高橋さん)私もまだ食べたことないです。(笑)

鹿や猪、柿,蕨(わらび)などは食べます。最初はどれが山菜なのかわからなかったのですが、隣のおばあちゃんが教えてくれました。

(峰さん)おばあちゃんは蕨の摘み方も教えてくれますし、この地域では昔は今よりも林業が栄えていたので当時の話などもしてくれます。そうした話を聞くといろいろ考えさせられますね。本当にここは人が温かいので、知らないおじいちゃんが薪を持ってきてくれたりもします。

里山暮らしを通しての変化


(高橋さん)成功体験が増えましたね。街中に住んでいた時には絶対できないと思うような、例えばお風呂のお湯を沸かすために薪を焚いて温度調整することなどが、いつの間にかできているんですよ。そうした経験は自信がつきます。あとアクシデントやハプニングは多いです。散歩している時やお風呂に入っている時にヒルに噛まれたりするので……今出川には絶対にいないですよね(笑)最初は無理だと思いましたが、だんだん受け入れられるようになりました。心身共に成長しましたね。

(峰さん)街中に住んでいる時と比べると、お金の使い方が変わりました。ここは家賃が3万円ですが、代わりに車の維持費やガス代(プロパンなので街中の2倍)、冬の寒さに耐えるための灯油代がかかります。反対に、山水が使えるので水道代は浮いたり、山菜を摘んでくることで食費が浮いたりします。ここで生活するためにはある程度シミュレーションしてくるのが良いですね。

将来の展望

(高橋さん)生活のオンとオフもできるし、広くて自然に暮らせるので、仕事は街中でして、住むのはこういう里山に住み続けたいです。

(峰さん)ここは大学からも近いので、お金のない学生ほどここに住めばいいのではないかと思います。

僕は4月から就職しますが,こうした里山の住宅に住んで、学生と地域の橋渡し的な存在になることが目標です。家を持っているおじいちゃん、おばあちゃんは多いですが、みんなネットに疎く、さらに素性の分からない人に簡単に家を貸すことは怖いですから、信頼関係が大切になってきます。そこを責任持って取り持てるような社会人になりたいです。

田舎暮らしをおすすめしたい人


(焼き芋を差し入れてくださいました!甘くて美味しかったです。)

学生生活がしんどいなと思ったときなど、街中の暮らしだと人との関わりが多かったりしますが、ここでは自分のスペースを広くとれ、自分を見つめ直す余裕ができることも良いと思います。あとはおばあちゃんたちが話を聞いてくれます(笑)

社会人になってからだと時間的に余裕がなくなると思うので、時間があるという点で学生にはいい暮らしではないかと思います。僕たちも半年くらい計画を練ってから移住したので、条件が合う人は十分に計画を練ってから移住体験してみることをおススメします。

インタビューをしてみて

私は今回、峰さんと高橋さんにインタビューをしてみて,お二人の行動力と環境適応能力がすごいなと感じました。そもそも里山暮らしをしよう、と思い立っても、本当に行動に出るのはとても難しいと思います。半年くらい計画を練ったということでしたが、お二方の思い決断力と冒険心を見習いたいです。そして、都市で、しかも実家暮らしの私は一人では生きていけないほど生活力が全くないので、里山暮らしをしたらいい修行になるだろうなと思いました。(笑)

社会人になる前の時間がある学生だからこそできる暮らし方であると思うので、高橋さんもおっしゃっていましたが、条件が合う人は、京都市では「田舎暮らし体験住宅」という取組が行われているので、ぜひ「里山暮らし」してみては?

(同志社大学 グローバル地域文化学部 山﨑凜)

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