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実際どうなん?法学部のええとこ伝えます! (同志社編)

みなさんこんにちは。同志社大学・法学部2回生の梅垣です。
高校生の皆さんは大学進学を考える際、学部選びに悩むかと思います。
中でも法学部は馴染みが少なく、何を学ぶのかイメージしにくいかもしれません。

先日高校2年生の生徒さんから、「法学部に入りたいと思っているけど、大学ごとの特色を知りたい」という質問をいただきました。
そこで今回は、私が通う『同志社大学・法学部はどんなところなのか』をお伝えします。

同志社大学の法学部とは

まず、学生の数からみていきましょう。
同志社大学法学部の学生数は3,656人と、経済学部(3,698人)、商学部(3,640人)と並ぶ多さで、男女割合でみると3分の1が女性です。(学生数は2020年5月1日現在)
続いて学部の構成ですが、法学部は法律学科と政治学科に分かれており、大まかにいうと、法律学科では憲法や法律を中心に学び、政治学科では日本の政治や国際政治を学びます。

また、同志社大学には所属学部の学科科目だけではなく他学部の学科科目も副専攻として履修することができる「副専攻制度」というものがあり、必要な単位を完修すると「副専攻修了」と認定されます。

そもそも「法学部を目指すのはどんな人?」と気になった人も多いのではないでしょうか。
私は入学した頃、親戚などから「弁護士をめざすのか」と聞かれました。
法学部=弁護士というのが一般的なイメージなのかもしれません。
確かに法学部には弁護士をはじめ、裁判官や検察官を目指す人も一定数いますが、一方で、企業で法律担当をしたいという人や公務員になりたい人など、様々な人が在籍しています。

私が法学部に入学志望した動機は、高校の時に憲法に興味を持ったからです。
現代社会の授業で、ディベートの実践や憲法改正についてのプレゼンを体験したときに、もっと法律について学びたいと思いました。

実際は何を勉強してるの?

これが私の1回生の時の時間割です。ほとんどの授業が必修科目なので、みんな同じ授業を受講することになります。学部以外の科目では、外国語や一般教養科目を受講します。
法律学科の講義では、六法と呼ばれる日本の主な法律を中心に学びます。

1回生では入門科目を受講し、法律学の講義の聴き方や資料の探し方、読み方などの基本的なスキルについて学びます。
1年間かけて導入的な内容を幅広く学ぶことができるので、関心ある分野を見つけることができるかと思います。

授業にはレジュメとポケット六法を持ち込みます。
ポケット六法は辞書くらいの厚みで、様々な法律の条文が載っています。
授業中に六法の条文を確認することが多いので、法学部生の必須アイテムです。
テストでは「このケースで○○罪は適用されるか?」「AはBに損害賠償を請求できるか?」といった記述問題が出題されるので、勉強した条文を引用しながら論述する力が求められます。
そう考えると、法律学科は世の中のルールに関心がある人や、問題解決の方法や道筋を考えることが好きな人におすすめかもしれません。

1年間学んでみてよかったこと

・リーガルリサーチという科目で法律を学ぶ基礎力ができた。

リーガルリサーチとは、学生を少人数のクラスに振り分け、教員1人がそれを担当するゼミ形式の授業のことをいいます。
私のクラスでは、40人程度をさらに4~5人の班に分けて活動しています。
判例の読み方やレポート作成について学んだ後、1人1件の事件を取り上げてレポートを書くという課題が与えられました。

判例とは、過去の裁判事例について裁判所が示した法律的判断をさし、学内のネットワークで検索したり、掲載された雑誌を図書館で探すなどして入手することができます。
「この事件の問題がどこにあるのか」「判決の理由」「判決への反対意見」など様々なことが書かれています。

判例をよく理解していないとレポートの文章を起こすこともできませんが、大学には教員に質問しやすい環境が整えられているので、自分が担当した事件についての理解を深めることができました。法学部には判例を読む授業が多いので、少人数制で学べるリーガルリサーチがあってよかったと思っています。

リーガルリサーチの授業では、他の文献を引用する際の形式やレポートの書き方も丁寧に説明してもらえるので心配はいりません。
さらに、課題提出前に一度教員からフィードバックもしてもらえるので、どこを改善すればよいかがわかり、より精度の高いレポートを作成することができました。

その他にも、班での発表やディベートもあり、それに向けた準備や他の人の発表への質問で法律の知識がより深まります。
余談ですが、毎週必ず班のメンバーに会うので、入学当初から知り合いができて嬉しかったり、班の友達と昼食を食べに行くのが楽しみだったりもしました。

・図書館が充実している

法学部の課題で判例を読むためにはもちろんのこと、法学以外の課題でもレポートが出されると私はよく空き時間に図書館に行きます。
同志社大学の図書館内には、学部ごとの専門書が集められたコーナーがあります。
法学部関係のコーナーももちろんあるので、レポートに必要な課題図書や判例が掲載された雑誌は全て大学の図書館で揃います。だから課題が出ると図書館を利用し、資料をコピーしてレポート作成に役立てます。

・文章を書く力がついた

レポートや定期考査での記述問題を通しては、自分が学んだことを整理して文章に表現する力がつきました。
レポートでは、長い文章の要約や、判決に対して自身の考えを述べることが求められ、記述問題では、ケースにあわせて適用する条文を考察して説明していく能力も求められます。
このように、文章の構成を考えたり、自分の考えを簡潔に述べることが求められる法学部での学びは、様々なところで生きてくるのではないでしょうか。

・OB・OGの方の講演が聞ける

授業では、法学部を卒業して社会で活躍されている先輩方の話を聞く機会もあります。
これまで、企業の法務部で活躍されている先輩や、弁護士として働かれている先輩が来られました。

企業の法務部で働いている先輩は、海外とのやり取りも業務として行っていると話されていました。取引を行う国の法律を学び、外国企業との契約書をチェックすることもあるそうです。契約は法的な行為なので、トラブルを避けるためにも内容を十分に確認することが大切。学生時代は得意ではなかった法律を今は仕事で扱っているのだと話されていたことが印象的でした。

法学部で学んだ先輩がどのように法律とかかわり仕事をされているのか聞けることは、自身のキャリア形成のヒントにもなります。
今後も先輩の話は、積極的に聞いていきたいと思います。

・学べる範囲が広い

法律はあらゆる分野を規定しているので、必ず関心のある分野が見つかるのではないかと思います。音楽や映画が好きな人は著作権法についての授業が楽しいでしょう。
お金をめぐるトラブルに関心がある人は、民法の相続分野が楽しいかもしれませんね。
法律が身近なものだと感じることができると、きっと楽しく学べます。

2回生以降に履修していく発展科目では、より内容の濃い学びができるため、自分の関心に基づいて自由に科目を選択することができます。
そして2回生の秋からゼミが始まり、少人数で専門的な勉強をしていきます。
学科にとらわれない学びができるのも法学部の特徴かと思います。
前半でも少し触れましたが、副専攻制度があるおかげで所属学部の他学科科目や他学部の学科科目を受講し、単位を修得することができます。

私は法律学科生ですが、政治分野にも関心があるので政治学科の科目を副専攻として、1回生の春学期には『日本政治入門』、秋学期には『政党政治論』を受講しました。
異なる学科のメンバーの中で授業を受けることは刺激になりますし、学びの幅を広げてくれます。

同志社大学・法学部の特色

最後に、裁判官・検察官・弁護士になりたい人向けの同志社独自の取組をみていきましょう。

(1)特殊講義 『答案作成ゼミナール』

同志社大学の法科大学院の教員による演習クラスです。
一年生の秋から履修することができます。この講義では、司法試験の事例問題の解き方を添削指導していただくことができます。法科大学院への進学を考えている人は受講してみてはいかがでしょうか。

(2)早期卒業制度

法学部では大学院との一貫教育を実現するために、要件を満たした学生は、法学部を三年で卒業し法科大学院に進学できる制度があります。裁判官や検察官、弁護士など『法曹』とよばれる職業を目指す学生のために用意されています。

(3)法職講座

法職講座HP (https://law.doshisha.ac.jp/legal_courses/index.html)

法職講座の開催は必ず授業中に告知されます。これまでの開催内容もぜひHPで御覧ください。学年問わず誰でも参加できるので、関心があれば飛び込んでみるのもありですよ。夢に向かって頑張る仲間やサポートしてくれる先生との出会いが待っていると思います。
気になったものがあれば、大学のHPやパンフレットをのぞいてみてください。

まとめ

いかがだったでしょうか。法学部は幅広く学べるので、その中で将来自分は何を目指すのかということを見つけるのも良いかもしれませんね。
様々な大学の法学部のHPを比較してみるのも面白いと思います少しでも法学部のイメージを持ってもらえたら嬉しいです。

(同志社大学 2回生 梅垣 里樹人)

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