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昔×現代!?京都市京セラ美術館を光のアートで彩ってみる

(髙橋匡太さんのデザイン)

近年、プロジェクションマッピングやライトアップ、イルミネーションなど「光のアート」が人気を博していますよね!
京都でも二条城をはじめとした歴史ある神社仏閣がライトアップイベントを開催しており、趣と近未来感を兼ね備えたその姿から普段とは違った魅力を感じることができます。

そんな光のアートを自分の手で作ることができたら楽しいだろうな~と思っていた矢先。
あったんです、美術館のライトアップを自分の手でデザインできる夢のようなイベントが!

そんなわけで、私たちは3月28日に開催される予定だった美術館オープニング・イベントを彩る、ライトアップのデザインワークショップに参加してきました。
綺麗にライトアップされた美術館も見ることができるので、ぜひ最後までご覧ください!

ワークショップの内容

2020年5月26日にリニューアルオープンした京都市京セラ美術館(当初のリニューアルオープン予定日は3月21日)では、オープニング・イベントとして3月28日にスプリングコンサートを開催予定でした(新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催中止)。
今回のワークショップはコンサート中に美術館本館を彩るライトアップのデザインを色鉛筆や色紙を使って考えるというもの。
上の写真は美術館外観を美しく照らす通常時ライトアップ。

ここに自分が好きなデザインをほどこし、ライトアップをするとこんな感じ!
作者が「Open my color!」と唱えた瞬間、魔法のように美術館に色が生まれます。

こちらは京都市立芸術大学の学生さんのデザインだそうです。
とっても幻想的!
自分にこんなにうまくデザインできるのだろうか……と少し不安になりましたが、それはさておき早速ワークショップスタート!

デザイン開始!

先ほどお話したように、たくさんの色鉛筆や色紙を使って美術館本館の見取り図に色を付けていきます!

どんな風にしたら綺麗に見えるんだろう?とはじめは悪戦苦闘していましたが、髙橋さんの母校である京都市立芸大の学生さんやワークショップのスタッフのさんにアドバイスをたくさんいただき……、

なんとか完成!次にそれぞれが作ったデザインに対してタイトルを付けます。
個人的に、タイトルを考えるのは難しかったです。

他の参加者の作品を見せていただくと、「春爛漫」「東山」など、季節や京都からインスピレーションを受けたもの、「ぶどうのいろ」「チョコレート」など自分の好きなものからイメージしたものなど年齢や、好みによって個性が表れていました。
(ちなみに私たちの作品は上段の手前2つ。)

光のアーティスト・髙橋匡太さんが京都市京セラ美術館にかける想い


(撮影:村上美都)

今回のワークショップとリニューアルオープン後の常設のライトアップを監修している京都出身・京都在住のアーティストであり、二条城や東京駅、愛・地球博記念公園内にある施設、地球市民交流センターの体育館など、多くの光の作品を手掛けた髙橋さんに、京都市京セラ美術館でのライトアップにかける特別な想いを教えていただきました。

◎京都市京セラ美術館との思い出
「京都生まれ・京都育ちの僕が生まれて初めて展覧会を訪れたのは小学生の頃で、その場所こそ、ここ京都市京セラ美術館(当時は京都市美術館)でした。また大学時代には、当時通っていた京都市立芸術大学の卒業制作展に、この美術館を使ったので思い入れがあり、いつかここで何かをやってみたい!と考えていました。」

◎常設のライトアップへの想い・こだわり
「京都市民の皆さんに綺麗な夜景をプレゼントしたいと考えていたので、今回の企画に関わることができてとても嬉しかったです。
常設のライトアップは、東山の本来の美しさを活かせるように、 毎日見ていても飽きないような、風景に溶け込んだ作品を意識して制作しました。
しかしシンプルすぎても、京都らしさを出すことができない。

そこで、着物の「かさねの色目(⋆1)」により四季の色彩を表現していくということを考えました。
厳密には、 二十四節気ごとに色合いを変えて、それぞれの季節らしさを出しています。
例えば、今日(取材日の2月15日)なら 初春らしさを意識した「紅梅」の色目としています。
桜 →山吹→ 藤 → 卯の花 →菖蒲……という感じで、一年をかけて平安時代の人々 が着物の衣替えをしていくように色鮮やかに変化していきます。着物の衣替えと同じように実際の季節より半月ほど早くに色合いが変わっていくのもポイントです。

先ほどもお話ししたように、風景に溶け込むことを意識したので、普段は外壁のだけを色づけていますが、「ハレの日(⋆2)」 にはレンガ壁も含めた美術館の外壁全体をキャンバスにすることもできます。

美術館のライトアップが一年間をかけて変化していくのってとても珍しいんです。
平安時代から受け継いだ色づかいを、さらに次の時代へとつなげたいですね。」

髙橋匡太さんOfficialサイトはこちらから↓
http://www.kyota.jp/

⋆1:かさねの色目…着物の表裏の色や、2枚以上重ねた際の色の配合のこと。平安時代に公家の服飾の中で生まれた。
⋆2:ハレの日 …儀礼や祭り、年中行事などの非日常な日のこと。

リニューアルオープンする京都市京セラ美術館


(リニューアルオープン前の京都市京セラ美術館の中を特別に見せていただきました)

日本文化の最先端であり続けている古都・京都には数多くの美術館があります。
この京都市京セラ美術館も歴史ある美術館の一つ。
1933年に開館して以来、85年間、多くの京都市民に愛されてきた京都市美術館が2020年5月26日に「京都市京セラ美術館」としてリニューアルオープンしました。
リニューアルにあたり、職員の方に想いを聞いてみました。

「以前の京都市美術館といえば、どこか入りにくい雰囲気があり、訪れる層は中高年がほとんどでした。しかし市民に愛される市立美術館であるためには、より幅広い年代層の方にもっと気軽に美術館を訪れてもらいたい!そんな想いを込めて今回のリニューアルが行われました。例えば、中高生や大学生の来場者を増やすために、現代アートを展示内容に取り入れたり、カフェやショップを併設したり……。
今回のワークショップもその一環です。美術作品はもちろん、ファッションやデザインにまで範囲を広げた、老若男女問わず誰でも楽しめる美術館になる予定なので気軽に足を運んでください。」

その狙い通り、今回のワークショップには、小学校入学前の小さな子どもから、私たちと同じ大学生、そして70歳近いおじいさま・おばあさままで幅広い年齢の方たちが参加していました。
ありがたいことに、小学生・京都市内在住の中高生は無料で常設展を観ることができます!
そういう面でも幅広い世代が入りやすい場所となっていますね!

最後に

今回のワークショップでは、ライトアップのデザインをしたり、実際のライトアップ作品を鑑賞したり、髙橋匡太さんのお話を聞いたりと貴重な経験をたくさんさせていただきました。
美術館内はとても綺麗なので、皆さんもぜひ一度訪れてみてください。
新しくできたカフェやショップも楽しみですね!

<お知らせ>
1現在、新型コロナウイルス拡大防止のため、京都市京セラ美術館への入館は前日までの事前予約制となっています。(2020年6月18日(木)までは京都府民限定。2020年6月19日(金)以降は京都府民以外の方も予約可能)

なお、カフェ・ミュージアムショップ等の無料エリアも、現在は展覧会を予約された方のみ利用可能です。
※今後の新型コロナウイルス感染症の状況によっては、変更する場合あり

2京都市キャンパス文化パートナーズ制度を利用すれば年4回展示替えが行われるコレクションルームに100円で入ることができます。

京都市京セラ美術館公式サイトはこちら↓
https://kyotocity-kyocera.museum/

実際に京都市京セラ美術館を訪れてみた記事はこちら↓

(文章:京都女子大学 現代社会学部 高岡英里華)
(写真:同志社大学 社会学部 西野洋史)

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