先輩が教える!ぼっち新入生のための大学サバイバル術
こんにちは!西野です。
春は新たな出会いの季節。新入生の皆さんの中には新しい環境にワクワクしている反面、大学で「ぼっち」として孤立するのではないかと不安を感じている人も多いと聞きます。
今回はコトカレで「ぼっち」関連記事を担当してきた私が自身の入学時のことも振り返りつつ、「ぼっち」でも大学生活を送っていく方法について考えたいと思います。
現在(令和2年5月時点)は登校できない方が多いと思いますが、学校が再開される日に備えてみるのはいかがでしょうか。
もくじ
何も持たずに来た京都
私が京都にやってきたのは2年前の3月終わりのことです。入試が終わるとすぐにバタバタと京都に来たこともあり、いわゆる新生活の準備はほとんどしていませんでした。
部屋にはカーテンさえなく、知り合いは一人もおらず、新入生イベントには出遅れる中で「ぼっち大学生」として京都での学生生活が始まりました。
実際、「大学で友達ができないのでは」という不安を持つ新入生は多く、私も友達を探しにサークルの新入生歓迎会(新歓)に参加しました。
「ぼっち大学生」にとって、新歓は「友達を探す場」だけでなく、様々な文化に触れ、コミュニケーションを試みる「修行の場」でもありました。使える道具は知識を得るための話し方の本が1冊と情報を集めるためのスマートフォン、そして自分の頭の回転のみ。
新歓を1日2件こなし、夜更けの阪急電車の中で一人反省会をやったことなど今でも思い出します。
「修行」の中で得たことの一つは、必ずしも「友達」をつくろうとしなくてもよいということでした。
「友達」という関係は結構濃いもので、いきなりできるものではありません。まず必要なのは挨拶をきちんとすることだと思うんです。
生活の中で言葉を交わす人というのは結構います。英会話の授業で話すクラスメイト、学科の教授、行きつけのカフェの店員さん。こういう人を覚えておいて、見かけたら挨拶だけでもするのです。そうすることで、とりあえず認知してもらえます。
挨拶を何度もしているうちに、向こうから話しかけてくれる人がいたりします。その時には相手と話してみればよいのです。そうしていると「知り合い」が増えていきます。
あちこちに知り合いがいれば、十分に社会生活を送れると思います。
もう一つは決して無理をせず、手順を決めて対処することではないかと思います。
たとえば新歓なら、
① 気を落ち着けて距離を詰める、②挨拶をする、③学部や学科、出身地の話をする、④相手が何か話したら、その話題を膨らませる といったマニュアル的なものを用意しておくと話がしやすいように思います。
この「気を落ち着ける」というのが「ぼっち」にはかなり難しいことなのですが、だからこそマニュアルを作っておくと便利なのです。慣れると対処できるパターンが増え、柔軟に対処できるようになります。
なんとか居場所を探す
「ぼっち」新入生にとって知り合い作りと同じくらい大事な問題としては、居場所に関する不安です。
たとえば「ぼっち飯」に関する不安はよく聞きますが、「ぼっち飯」は世間で言われるほど異常な状況ではありません。
高校までと違い、大学では一人ひとり時間割が異なるため、一人で行動する時間が増えます。最近は食堂に一人席が用意されている大学も多く、「ぼっち」にも安心なつくりになっています。
「ぼっち飯」についていえば、むしろ「一人で寂しい」ということの方が問題なのかもしれません。私は高校時代から「ぼっち」なのであまり気になりませんが、今まで友達に囲まれていた人が、大学進学をきっかけに環境が変わった場合、不安になるのも当然です。
そんなあなたにおすすめしたいことは……。
大学周辺の散策です。
幸い、京都には豊かな自然や神社仏閣など、癒されるスポットが数多くあります。
私は同志社大学に通っているので、京都御所や鴨川デルタ、下鴨神社などへよく行きます。また大学近くの出町柳には人情味あふれる商店街もあり、こちらもおすすめです。
下宿生にとって大切なことは、まず、学校や下宿の近所に慣れることだと思います。
場所に慣れ、そこで知り合いを増やしていけば、かなり生活がしやすくなってくると思います。
コツコツやっていけば
そうこうしている内に授業が始まります。では、「ぼっち」でも授業についていくことができるのでしょうか。
結論から言うと、十分ついていけると思います。私は浪人時代、予備校へ通っていました。予備校には知り合いがいなかったので、そこで一人でも勉強についていく術を身につけてきたと思います。
たとえば授業のカリキュラムは自分で調べておく、どうしても分からないところは先生に質問しに行くといったことです。
受験期は一人の時間も多かったと思うので、入試を突破できた皆さんなら、あまり心配する必要はないと思います。
ただ、周りに聞くと大学の勉強、特に試験対策に「コミュニケーション能力が必要」という人は結構います。確かに大学の授業は高校までと違い、授業によって学ぶ内容や方法、教える先生などが異なり、しかも学期ごとに科目が入れ替わります。
記述式の問題も多く、過去の定期試験問題を丸暗記するような「型にはまった対処」が難しいのは事実です。そこで、授業を選ぶ際に過去の受講者(≒先輩)を探して情報を得るということがしばしば発生します。
その点で情報を得にくい「ぼっち大学生」は不利な気がしますが、試験のほとんどは実力で突破することができます。時にピンチに陥りながら、そこを工夫して乗り越えていくのも勉強ですし、慣れれば楽しいものです。
ただ、やむを得ず授業を休んだ時など、相談できる場所が得にくいのは確かな気がします。
ほかにも、履修登録や実習の登録など、複雑な作業は相談できる相手がいないとしんどいこともありました。
そういうときには先生や事務の方などに頼ることも大事になってきます。事務室など、行く必要がある場所には時々通っておくといいと思います。
「ぼっち充」で行こう!
今にして思えば、試行錯誤の根っこにあったのは「自分の可能性で遊んでみる」という前向きな感覚だったように思います。
大学というところは高校よりも治安面など「最低限の安全」は確保しやすいと思います。そのぶん、何がどこまでできるのか「やってみなはれ」の精神でどんどん試してみるのは重要なことだと思うのです。
こうして、私は以前からやりたかった「ウェブ上でものを書く」ということを追求していった結果、京都学生広報部にたどりつきました。何も持たずに京都に来た私が、明るい大学生活を送れているのは京都学生広報部のメンバーのおかげです。
「ぼっち」であれなんであれ、大学生活、勝手に楽しんで充実すればいいのです。
新入生の皆さんが充実した大学生活を送れるよう願ってます!
(追記)
令和2年5月現在、多くの学生が自宅待機状態にあります。いわば日本中の学生が孤独な状態にあるといえるでしょう。
厳しい状態ではありますが、実家にいるなら家族と話したり、離れた友達とネットで話したりなど、今手に入る「つながり」を大事にしながら無事に過ごされることを願います。
(同志社大学 社会学部 西野洋史)