学生ライフ

-京つけものから未来を探る-コトキャリツアーに参加してみた!

-京つけものから未来を探る-コトキャリツアーに参加してみた!
この記事をシェアする

今回、京都学生広報部は「京都市わかもの就職支援センター」(詳しくはこちら https://kotocollege.jp/archives/14669)が主催する「コトキャリツアー」に参加してきました。
参加者たちはこのツアーを通じて伝統産業やクリエイティブ系やベンチャー企業の裏側を覗くことで、未来を考えるきっかけを見つけています。
では、そもそも「コトキャリツアー」っていったい何でしょう!?

コトキャリツアーとは?

「コトキャリツアー」は京都市わかもの就職支援センターが主催する、学生や求職者が京都の気になる会社を気軽に訪問できるイベントツアーです。
企業との接点を作る、様々な会社の仕事や働き方を知ることができるといったことを目的としています。
今年度開催の「コトキャリツアー」では4つの会社を訪問できるのですが、今回私たちが訪れたのは「京つけもの もり」。
いったいどんな会社なのか、私たちと一緒に企業訪問に行きましょう!

いざ企業訪問へ!

“もり”では「美味しい野菜からしか、美味しいつけものは作れない。」をモットーに、京都府亀岡市にある自社農園で野菜を栽培、京野菜の復興にも力を入れたりと原料からこだわったつけものを製造されています。

京都で一番愛されるつけもの店になるために、“もり”では開発力の強化や販路の拡大に尽力されているそうで、年に数回、社員が新たなつけものを開発する「つけものグランプリ」の開催や、海外の物産展への出展といった積極的な取り組みが行われています。
質疑応答では商品開発や事業展開に関しての質問などにもしっかりとお答えくださり、それを真剣に聞く参加者の姿が印象的でした。

つけもの工場の見学へ!

本社三条店には販売スペースと工場があります。

まず目についたのは大きな冷蔵庫です。写真中央にあるビニールカーテンをくぐった先には、大量の野菜がありました。これらが全てつけものに加工されることに改めて驚きです。
また、千枚漬けなどの商品を素早く袋に詰める職員さんの手際の良いこと!説明を聞きながら、思わず動作に見入ってしまいました。
店舗と工場は常に情報をやり取りしており、販売スペースで人気の商品や好みの移り変わりなどについて、お客様から直接話を聞き、商品開発に活かしているのだそうです。
参加者もツアー後に商品を購入して帰っていました。

ピクルスを作ってみよう!

ピクルス作り体験もさせていただきました。
「京ぴくるす」は「千鳥酢」という京都のお酢や白醤油、おだしなどが調合された秘伝の“ぴくるす液”を使用しているそうです。
そして今回はなんと、その液を使ってピクルスを作りました。

作り方はとても簡単で、好きな野菜を好みの配分で瓶に入れ、ピクルス液を注ぎます。ぴくるす液に好きな野菜を入れるだけです。
使用した野菜はキュウリ、大根、カボチャでした。

体験終了時の写真がこちら!

これを二日寝かせるとおいしいピクルスのできあがりです!
私たちも後日食べてみましたが、優しい味わいで、和食にも洋食にも合うと思いました。

この液に角切りにした野菜を入れるともう二回ほど漬けることができるそうです。(ただしナスは合わないのでご注意を)
また、自分好みにお酢や醤油を足していけばオリジナルのピクルス液へ変えることができることや、オリーブオイルや塩コショウを加えてドレッシングにアレンジすることもできると、教えていただきました。

「京ぴくるす」は店舗や通販で購入することができます。
皆さんも冷蔵庫の片隅にピクルスを常備してみては?

社員さんとの座談会

最後に、製造・出荷・店舗とそれぞれの部門の社員の皆さんと参加者との座談会が行われました。

店舗部門の山田さんは嵐山店をはじめとする店舗の責任者で、店舗を運営するうえでのコミュニケーションの大切さ、生まれ育った地元・京都のものを売る喜びといったことについてくださいました。

出荷・袋詰部門の山口さんからはつけものが作られる工程や、店舗と製造が密に情報交換を行うことで、小回りの利いた商いができること、それこそが“もり”の強みであることや、開発力の重要性といったお話を聞くことができました。

製造部門の梅本さんはつけもの一筋12年の方で、素材の状態を見ながら日々つけものに向き合う心構えや、ご自身の出身地で、“もり”創業の地でもあるなどについてのお話をうかがいました。

課長・参加者へプチ・インタビュー!

最後に、今回の企業訪問を主導されていた製造部課長の森知史(もり さとし)さんと、今回のコトキャリツアーに参加した学生にそれぞれお話を伺ってみました。

―森さん、今日はどうもありがとうございました。お話の中で、地元京都で愛される「もり」を目指すとおっしゃっていましたが、京都で働くやりがいをどんなところに感じていますか?

自分にとって京都はとても恵まれた環境であり、特殊な場所だと感じているんです。
たくさんの神社仏閣があり、国内外からの観光客で常に賑わっているにも関わらず、京都で長続きする企業は多く、新規参入の企業は少ないという特性があると思います。

でも、そんな環境の中だからこそ余計にやりがいを感じますね。
「漬物」という観点から京都やユネスコの文化遺産に登録された和食をどのように盛り上げていくのかを考えながら、日々働くことにやりがいを感じています。

―参加した学生にどのようなことを伝えたいですか?

私たちの会社だけではなく、多くの地域企業に共通して言えることですが、地域企業には大企業とは違った良さがあります。
例えばコンパクトな組織だからこそ、自分の夢を仕事に投じて実現させやすいというのが大きな利点としてあります。

また、地域に密着しているからこそ、お客様の声や今の風潮を反映したものを提供しやすいという点もありますね。
先ほど言った地域企業の良さを知ると同時に、福利厚生などだけではなく自分の熱意がどれだけ実現可能な会社なのかということも、就職活動をするうえで大切な観点として養ってほしいですね。

ツアーに参加した学生さんにもお話を伺ってみました!


―何がきっかけで今回のイベントに参加しようと思われたんですか?

今、鳥取環境大学に通っているのですが、元々落ち着いた雰囲気のある京都にとても憧れがありました。

京都にはたくさんの大学があって面白い大学生が集まっているので、京都で就職を考えている素敵な学生たちと一緒になにかモノづくりができれば、きっと面白いだろうなと思っているんです。

そこでインターネットで京都の地域企業を紹介している京都市わかもの就職支援センターにたどり着き、このイベントに参加しました。

―今回の体験を通してどのようなことを学びましたか?

私は特に、食品関係のモノづくりに興味があるのですが、インターネットだと知ることのできる情報が限られていて視野が狭くなっていたんです。

今回、自分の目で見て、聞いて多くの新しい発見があったので、視野が広がり良かったなと思っています。

企業見学を終えて

下宿している大学生の帰省土産としても人気である“もり”について知ることで、普段食べているつけものがより身近なものに感じられました。

京都市わかもの就職支援センターでは他にもツアーが行われており、友禅染めなど京都ならではの伝統産業を見学することができます。

150万人の人口と多くの産業を抱える京都は、就職先が豊富なだけでなく、今回のようなイベントを通して、学生が気軽に企業や社会人とつながることができます。
そして今まで見ていなかった「社会のある部分」を実際に見て感じた経験は、就職を考えるときはもちろんのこと、人として成長することにもつながるのではないかと思います。

社会は様々な人々の仕事で成り立っています。
知らない業種や企業を見ることは自分の「社会」を広げることです。

今回のツアーに参加して、社会との垣根が低い街・京都は社会を知り、未来を考える「学びの場」であると改めて思いました。

(文・写真:立命館大学 文学部 田中陽奈子、立命館大学 文学部 山下杏子、同志社大学 社会学部 西野洋史)

 

 

この記事を書いた学生

かれんちゃん

かれんちゃん

卒業生が執筆した記事はかれんが紹介しているよ!