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【自由で国際的】京都精華大学マンガ学部ってどんなとこ?

「京都の大学」といえば、皆さんはどのような想像をされるでしょうか?
京都にはさまざまな大学がありますが、「文化のまち」京都には芸術系の大学も多いんです!
ところで、芸術系の大学ってどんなことを勉強しているのか気になりませんか?

そこで今回は京都市・左京区にある京都精華大学へ行き、2006年に全国で初めて設置されたという「マンガ学部」の学生にお話を聞いてきました!

大学でアニメを学ぶ

今回の取材に協力してくださる于慧美(うえみ)さんは中国からの留学生で、マンガ学部アニメーション学科アニメーションコースに通う3回生です!
まずは普段使っている教室を案内してもらうことにしました。

于さん:マンガ学部アニメーション学科の教室は大学の敷地中央部にある対峰館(たいほうかん)の1階から3階にあります。
対峰館には同じマンガ学部のマンガ学科のほか、芸術学部の教室も入っています!

3回生の実習室に案内してもらいました。
学生一人、一人、自分の机があるんですね。

于さん:これはアニメを作成するための「トレース台」という道具です。

今、作成しているのは、授業の課題で作っている、アニメの「動き」を表現する「中割り」(動画)と呼ばれる部分です。

「中割り」で表現する動きは、あらかじめ原画(動き出しと動き終わりなど、動きの要所となる作画のこと)などで指定されていますが、今回の作品では、中割りの枚数は、学生の裁量に任されています。
16枚作成する学生もいれば25枚の学生もいます。わたしは19枚使っています。

 

作成した「中割り」をめくって動かすと……。

 

 

一同:おおっ!

于さん:これがアニメの基本的な仕組みです!
実際の現場では、原画と中割り(動画)それぞれの工程に専門のアニメーターがいて、その上に作画監督がいます。
まず、作画監督が原画マンに描くシーンを指示し、原画マンが原画を作成。次に、原画をもとに動画さんが中割りを作り、最後に作画監督が全体を調整していきます。

芸大ならではの売店!「画箋堂」

本館にやってきました。
売店らしきお店を見つけて近寄ってみると……。

一同:見たことのないガチャガチャがある!

于さん:ここでは「コップのフチ子さん」などのフィギュアが買えます。
フィギュアは立体的で細かくデザインされているので、絵を描くのにも役立つんですよ!
ちなみに「コップのフチ子さん」を考案したタナカカツキさんは京都精華大学の卒業生で、現在はこの大学の客員教授でもあります!

ガチャガチャが前に設置されているこちらのお店は「画箋堂」(がせんどう)。
京都市で100年以上続く画材店の京都精華大学店です。
名前からも分かるように、ここには芸術系大学ならではの文具や画材などが揃っています。

于さん:これがさっきの説明で紹介した動画用紙です!
1枚6円です。大事に使ってます(笑)

于さん:ここにはいろんな種類の紙が揃っています!
美術製作では紙からこだわりますね。

于さん:芸術に関する本はもちろん、人体や動物に関する本や旅行ガイドなど、絵を描くのに役立つ本が揃ってます。
新書や雑誌など、普通の本も取り扱ってますよ!
変わったところといえば、大量の週刊少年マンガ雑誌を取り扱ってるところでしょうか。
毎週みんなで買いに来ます(笑)。

食堂でインタビュー

最後に、食堂でインタビューを行いました。

―まず、京都精華大学を選んだ理由は?

京都精華大学はマンガに強い大学だと思ったからです。
アニメやカートゥーン(マンガ等のこと)、キャラクターデザインなど幅広く学べますし、
教授陣も第一線で活躍されている方々が揃っています。

―京都精華大学の魅力はどのようなところですか?

「自由自治」という理念の通り、すごく自由な大学だと思います!
制作についても自由度があり、かなり変わった作品を作っても許されるところがあります(笑)。

あとは、変人が多い!
ファッションも自由で、着物を着てくる人や痛バッグ(アニメなどのキャラクターグッズで装飾したバッグ)を持ってくる人など、いろんな人がいます。
まさに「ヲタクの学校」ですね(笑)。

―授業はどんな感じで進んでいくんですか?

実際に先生が絵を描きながら、その場で用語などを説明していくといったスタイルの授業が多く、座学は少ないです。
授業中はノートをとるというよりも実際の絵を見て、描いてみるといった感じの勉強をします。記録のために携帯電話で撮影することも認められています。

―テストはないんですか?

いわゆる「中間試験」のようなものはありません。
卒業は卒業制作の出来栄えで判断されます。
卒業制作は個人で作ってもよいし、グループで作ってもOKです。

―クラスの人数は何人くらいですか?

授業にもよりますが、わたしが選択している授業では30人から40人くらいですね。

―日本で暮らしてみてどうですか?

日本はとても便利だと思います!
例えば自販機一つとってもあちこちにあり、種類も豊富です。

強いて言えば、ごみの出し方に苦労することはあります。
正直、どこに分類すればいいか未だにわからないものも結構ありますね。

―京都のおすすめスポットを教えてください

やはり四条あたりですね。買い物に便利です。
あとはゲームセンターや映画館に行ったりもします。見る映画はやっぱりアニメが多いですね!

最近は八坂神社のそばにある洋菓子店にはまっています。
抹茶チョコにお菓子やフルーツをつけて食べる「祇園フォンデュ」というスイーツがあるんですが、本当においしくて……。

―将来の夢を教えてください!

やはりアニメ関係の職に就きたいですね!

先生方からは「この業界、厳しい部分もある。最初からアニメ業界と決めずにいろんな業界を見ておきなさい」と言われます。
これは自分の将来像を具体的に描いて、考えを持って将来を決めてほしいということだと解釈しています。
このように、具体的に目標を持って聞きに来る生徒には、先生方は惜しみなく技術を教えてくれますよ!これからも頑張っていこうと思います。

自由で国際的な環境でマンガを学ぶ

いかがでしたか?京都精華大学は山沿いにあり、のびのびとした自由な雰囲気です。
そんな雰囲気の中で幅広く、目いっぱい好きなことを学べるというのはとてもいい環境だと思いました。

さらに日本のマンガ文化を学べる京都精華大学には国際的な一面もあることが分かりました。
中国や韓国、欧米などから多くの留学生が来ており、留学生と日本人学生がともに生活して互いの文化を学ぶ国際学生寮「修交館」などの施設も整備されています。

日本では珍しい外国出身の学長として注目されたウスビ・サコ先生も、京都精華大学の自由な気風に共感して教員に就任されたそうです。

そして今回取材してみて、改めて京都の大学の多様さに気づかされました。
これからも京都のいろんな大学を取材していこうと思います!

 

(文:同志社大学 社会学部 西野洋史)
(写真:立命館大学 文学部 山下杏子)
(取材協力:同志社大学 文化情報学部 森川梨美)
(取材協力:同志社大学 社会学部 佐渡正弘)

 

 

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