同志社ボーカロイド研究会Arpeggioはジャンルを超えた大創作集団である
さて、この記事ではちょっと変わったサークルを新入生や中高生のみなさんにご紹介します。
「同志社ボーカロイド研究会Arpeggio(アルペジオ)」さんです。
Arpeggioは「ボーカロイド」を扱うサークルで、文化系サークルの中でも異彩を放っていたので取材させていただきました。
今回取材を受けてくれたのは同志社大学経済学部2回生佐川貴郁(さがわよしふみ)さん、法学部2回生城戸隼哉(きどじゅんや)さん、社会学部1回生濵野 瑠月(はまのるつき)さんの3名です!
(左から佐川さん、城戸さん、濱野さん)
–Arpeggioとはどんなサークルなんですか?
佐川さん「ボーカロイドをはじめとした合成音声ソフトに対して様々なアプローチで携わるサークルです。」
–あまりなじみがないのですが、合成音声ソフトとはどのようなものなんでしょうか?
濱野さん「人の声を録音して、そのデータを用いて自分の望んだ言葉や歌声を出力する機械(ソフト)のことです。例えば初音ミクが有名な合成音声ソフトの一つです。」
–なるほど...では「様々なアプローチ」とおっしゃいましたが具体的にはどんな活動をされていますか?
城戸さん「はい、ArpeggioはDTM班、バンド班、ダンス班、歌ってみた班、イラスト班、イベント班の6つの班に分かれて活動しています。これらの班では全てボーカロイドに関連したコンテンツを元に発信しています。具体的には...」
○イベント班
イベント班では、創作をする人と作品を楽しむ人、今出川キャンパスの会員と京田辺キャンパスの会員、班と班、上級生と下級生をつなげるために1ヶ月に1回イベントを開催し交流をはかっています。
カラオケや観光地に行くこともしばしばあります。
○イラスト班
私たちの大学がある京都は、美術館や私設のギャラリーが多く、イラストやアートとの距離が近いので、そういったものから日々刺激を受けながら創作活動に取り組んでいます。
活動内容としてはサークルで製作したアルバムのジャケット、会報誌のイラスト、イベントのポスターなどのためのイラスト製作です。
また、班内で月に1つお題を出して、それに沿ったイラストを描くという月一課題という自由参加の企画も行っています。
月一課題のイラストは、Twitterの広報用アカウントでも紹介しています。
ぜひ見ていってください!
○歌ってみた班
歌ってみた班は5月20日の総会で結成された、現在Arpeggioで最も新しい班です。
活動内容としては、サークル所有の機材を使ってボーカロイドのコンテンツとしても知られている”歌ってみた”を録音し、MIXして作品にするというものです。
今後はMIXした作品をサークルの公式アカウントなどで発表することを目標にしています。
○ダンス班
ニコニコ動画やYouTubeに投稿されている、いわゆる”踊ってみた”動画のコピーを主に、ボカロ曲に合わせてダンスをする班です。週1回程度で活動しています。
ステージに立つ機会は新歓、同志社EVE(同志社大学の創立記念行事)が主です。毎回まったり楽しみながら踊っています。
○DTM班
DTMとはデスクトップミュージックの略で、パソコンを使ってボーカロイドのオリジナル曲作りを主にしている班です。
他にも、ボーカロイドの調声やミックスを中心に活動している人もいます。
11月と3月にCDを制作しており、最近は2019年3月10日(日)にみやこめっせで開催されたイベント、「VOCALOID STREET(ボーカロイドストリート)」に向けての制作をしていました。
○バンド班
ボーカロイドの曲をメンバーがカバーし、サークル内や大学のイベント(同志社大学京田辺キャンパスで行われるクローバー祭など)で演奏するのを主な活動としています。
多くの人にボーカロイドの曲の良さをバンドでカバーすることによって、知ってもらえれば嬉しいです。
京都で活動していて良かったことは、部室を保有していないため、スタジオを借りなければならないですが、大学の近くに沢山あるため使い勝手がいいことです。
–色んな活動をされているんですね!ではサークル全体として活動する機会はあるんですか?
城戸さん「はい、月に一回総会という会議を開催しています。ここでは基本的なサークル運営等を議論しています。また総会とは別で、週に数回昼休みから3限の時間にかけて昼食会を開いています。昼食会では談笑をしています。」
–「全体でも集まる機会を作りながら、自分の好きな活動を班で行う」というスタイルはいいですね!ところで、Arpeggioはいつ設立されたんですか?
佐川さん「Arpeggioは2010年5月17日に設立されました。そこから1年後にwebサイトやブログを用いて、サークル情報の発信を行い始めました。
当時は全員初心者で、少し勉強していた人から教わる形で活動し続けて、形になったのが2012年の同志社EVEです。
ここで初めてサークルのオリジナルCDを出すことになりました。さらに2015年からは外部のイベントで作品を実際に自分たちのCDを売り始めました。」
(外部イベントにてCDを販売した際の写真)
–へぇー、自分達で勉強しながら着実にサークルが成長させているんですね!では皆さんの代ではどのようなことをされましたか?
濱野さん「我々の代では大学外部へのかかわりを強めていきました。C95(コミックマーケット95)、VOCALOID STREETなどの大型イベントに参加したり、他大学のボーカロイド研究会との交流を始めました。
各大学で集まって、各大学の強みを発表し合って、その模様をリアルタイムの映像を視聴しながら、コメントやアンケートを楽しむことができる「ニコニコ生放送」で配信したりしました。
また自分たちの通う同志社大学とも関わるようになり、クローバー祭や寒梅館夏祭りなどの同志社大学の行事に参加しました。
特に寒梅館夏祭りでは地域の子供に楽しんでいただくためにボーカロイドのキャラクターの塗り絵を作ったり、ボーカロイドによる紙芝居を行ったりしました。」
(同志社クローバー祭にて豆腐ドーナツを出店している様子。大盛況だったようです。)
–どんな人がArpeggioに入部していますか?
城戸さん「曲を作りたい人、ボーカロイドが好きでサークルに入ってから何をやるか決める人、なんとなくボーカロイドの世界に触れてみたいという人も入部しています。」
–では皆さんの入部した動機を教えてください!
佐川さん「僕は1回生の6月に入部しました。別のサークルの知り合いの先輩が「曲を出すならArpeggioへ」と言われたのがこのサークルを知るきっかけでした。
今はイベント班とDTM班の班長をしています。班長としての活動の幅を広げることへの努力や、広報、創作物を楽しんでもらうためにどういうアプローチをするかを考えています。」
城戸さん「自分のカラオケのレパートリーにボーカロイドの曲がいくつかあり、新入生の時にArpeggioのイベントでカラオケが無料ということを聞き、イベントに参加したことが入部のきっかけになりました。
現在はArpeggioの会長として創作するサークルの部員たちが活動しやすい環境づくりを心掛けています。」
濱野さん「僕が入った理由は、友人に誘われたのがきっかけです。今の活動は副会長として他大学との交流やtwitterの発信、DTM班での活動、作詞、カバー楽曲を動画共有サービスのニコニコ動画に投稿しています。小説も書いたりしています。」
–サークルの観点から大学が京都にあってよかったと思うことはありますか?
佐川さん「まず、京都という場所は関西の中心として他県から集まりやすい立地だと思います。
また、創作活動においては芸術面で京都から影響を受けることも多いです。そして大学の近くにスタジオが多く、バンド班がスタジオを借りやすいのは京都だからこそだと思います。」
— Arpeggioで活動していて面白いことは何ですか?
城戸さん「やはり自分の創作物を発表できることです。そして、一つのサークルとして集まっていることですね。
「踊る」「歌う」「イラストを描く」「バンドで演奏する」「楽曲を作る」など、本来なら別々のサークルで動いているはずが、「ボーカロイド」を一つの軸として、色んな人が一堂に会することができるのはArpeggioならではの面白いところだと思います。」
–今後はどんなことをやっていきたいですか?
濱野さん「Arpeggioが表に出る機会が徐々に出てきたので、各班での共同作業や他大学とのコラボなど、大きなことをやっていきつつ、メンバーの発信したいものを発信したいです。メンバーの発表するものをより広めていく「拡声器」のような場所になればなと思います。」
–最後に、全国の中高生に向けてメッセージを!!!
城戸さん「ボーカロイドであればうちのサークルは何でもできます。同志社大学に入学される方は是非遊びに来てください!」
どうでしたか。Arpeggioは新しい形の創作サークルだなと僕は思います。
大学では限られた時間の中で自分のやりたいことができる時間です。その限られた時間で「自分の思いや考えを形にする」ことは非常に価値ある経験だと思います。
運動や勉強だけではできないことですし、年の近い同じ志を持った仲間たちと創作するのも大学生ならではだと思います!
もし、ボーカロイドに興味のある方はArpeggioに足を運んでみてはいかがでしょうか?
Arpeggioさんについて詳しくはこちら↓
Twitterアカウント: https://twitter.com/arpeggio_d
ニコニコ動画: https://www.nicovideo.jp/user/56043335
ホームページ: http://arpeggiod.web.fc2.com/
(同志社大学 経済学部 笠原真史)