インタビュー

京都をこよなく愛する 中村薫さんにインタビュー

京都をこよなく愛する 中村薫さんにインタビュー
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先日、KBS京都ラジオの『笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ』に出演されている中村薫さんにインタビューさせていただきました。

『笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ』は毎週月曜日から金曜日の午前6時30分から放送中。
番組の詳細はこちらから↓
https://www.kbs-kyoto.co.jp/radio/hokahoka/

中村さんはラジオパーソナリティーのお仕事に加えて、YouTubeやガイドを通じて京都の魅力を発信する活動をされています。

今回は、ラジオ番組の裏話から京都のおすすめスポットなどたくさんお話を伺ってきました。

それではご覧ください。

笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ

――『笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ』の生放送の裏側が気になります。

5時30分過ぎにはスタジオに着きます。放送前に台本を渡されるので出演者各自で内容を確認します。私の場合はニュースや気象情報の下読みもしています。

――アシスタントを務める上で気をつけていることはありますか?

ラジオはスタジオの空気感が聴いている方に直接伝わると思っています。たとえば、私が楽しく話しているとラジオを聴いている人にも感じてもらえると思っていて。だから「楽しもう!」という気持ちで放送に臨んでいますね。

――ラジオはテレビに比べて表現が難しいと思いますが、実際どうですか?

テレビだと「こちらご覧ください」と言うだけで伝わることも、ラジオだと、どういうものなのか詳しく説明しないといけません。でも、その説明が良し悪しにかかわらず、聴いている皆さんが各々自由に想像を膨らませることがラジオ独特の面白みに繋がっているように思います。

――番組が長期に渡ってリスナーの方に愛されている理由はどこにあると思われますか?

晃瓶さんも私も、飾らずにありのままの自分で話をするところですかね(笑)。あとは、リスナーの隣にいるかのごとく喋っているところが親近感を持ってもらえている部分じゃないですかね。

晃瓶さんがよく言うのは、2人が「対比」しているところ。晃瓶さんと私は「育った環境」や「性格」が極端に違うんです。晃瓶さんは細やかな性格で私は大雑把であったりとか。それが逆に噛み合うようで噛み合わないところが面白いと言ってもらえますね。

――私も晃瓶さんと中村さんの掛け合いが面白くて好きです。

――そもそもメディアの仕事に就かれたきっかけは何だったのですか?

大学生のときに、友達に誘われて天神祭の「ギャルみこし」に応募したんです。その選考のときに放送局の方が来られていてテレビレポーターをやってみないかとスカウトされたことです。

京都ならではの魅力

――大阪出身の中村さんが京都を好きになられたきっかけを教えてください。

最初は番組の放送のために、始発の電車に乗って大阪から京都放送まで通っていたんです。でも冬は寒くて「通えないな」と思って(笑)。それで番組が始まって半年くらい経ってから京都に引っ越して来ました。

そこから、せっかく京都で暮らしているのだったら「京都のことを知りたい!」という気持ちが膨らんでいったんです。たとえば、神社仏閣やお祭りなどを見て回ったり、京都検定を受けたりしていましたね。そのときに「色々知っていると面白いし、京都ガイドもできたら面白いな」と思うようになりました。

――京都ガイドはどういうふうに始められたのですか?

番組で共演している「らくたび」の若村さんに私の方から「一緒にガイドをしてもらえませんか」とお願いしました。そしたら「やりましょう」と言って下さったんです。そこから、月1回のガイドを7年間ほど続けました。

それで晃瓶さんから「そんなに長い期間やっているのならひとりでガイドできるんとちがうん?」と言われたのがきっかけで、独立してガイドするようになりました。

――ずばり京都の魅力について教えてください

“街を歩けば歴史の何かに出会える”といった感じで、歩いていると発見がいっぱいあって楽しいです。

あとは神社仏閣を巡るのも大好きです。四季によって風景が色々に変わるところも魅力的です。もちろん桜や紅葉の時期は格別ですよね。京都はいつ行っても違う「発見」や「楽しさ」があります。

――(記事公開時の)5月にしか楽しめないことはありますか?

青紅葉ですね。紅葉の名所に行くと青紅葉もすごく綺麗なんです。緑の色が淡くて、葉が光に当たってキラキラしている様子は最高ですよ。

特に好きなスポットは祇王寺ですね。茅葺き屋根のお堂が素朴な雰囲気なんです。竹林もあって、木々と苔むしたお庭は緑いっぱいで、すごく癒される空間ですよ。

修学旅行生必読!京都のおすすめスポット

――修学旅行生が訪れるべき京都の観光名所はどこでしょうか?

清水寺、金閣寺、銀閣寺、東寺、伏見稲荷大社は定番ですよね。そういう有名どころも、やっぱり1回は見に行ってもらいたいですが、できたら定番ではないところも、あえて行ってほしいですね。

ガイドブックなどを見て、ここのお庭は見てみたいとか、歴史的なことで行ってみたいとか、ここの仏像は見てみたい、というふうに自分が気になるところに行ってみても良いのではないでしょうか。

――では京都に来たらぜひ見てほしいというものはありますか?

やはり仏像は見てもらいたいです。東寺の立体曼荼羅は圧巻ですよ。密教の曼荼羅図を21体で表現しているんです。

あと、三十三間堂の仏像は、初めて見たら思わず声が出るほど驚きますよ!1,001体の千手観音像、自分に似た顔立ち、愛する人にそっくりなお顔の仏像があるとも言われています。ぜひ見つけてみてください。

他にも広隆寺にある弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしゆいぞう)という国宝彫刻第一号の仏像が有名です。すごく穏やかな表情の仏像なので、ずっと見続けられるくらい素敵です。私が大好きな仏様です。

――仏像は奈良のイメージでしたが、京都にもそんなにたくさん仏像があったんですね

あります、あります!奈良の方が歴史が古いけどね(笑)。

――ところで京都放送の近くでおすすめのカフェはありますか?

京都御所南にあるCafé bibliotic Hello!(カフェビブリオティック ハロー!)というお店がおすすめです。
パスタや有機野菜を使ったランチ、スイーツもフルーツパイが種類豊富で美味しいです。あと、お店の雰囲気がすごく好きですね。吹き抜けになっていて広くて、京都にまつわる本やデザインの本などもたくさんあって、おしゃれな図書館みたいな感じなんですよ。

多彩な資格や趣味

――京都検定やTOIECを社会人になられても受けられている原動力はどこから湧いているのですか?

検定などを受けるとなると勉強をせざるを得ないですよね。もともと勉強熱心にする方じゃないんですよ。なので、自分に負荷をかけています(笑)。

京都検定はガイドをする上で、「京都のことをもっと知っておかないと」と思い、受けるようになりました。TOEICは、世界に京都の魅力を発信する担い手になりたいという思いから勉強しています。「英語で京都ガイドをしたい。英語でYouTubeも発信したい」とも思っているんです。

学生時代にもっと英語の勉強をしておけば良かったな、と悔やまれるので、皆さんはぜひ英語をしっかり勉強してくださいね。京都の学生さんなら外国人の方と出会うきっかけもあると思うので、自分から話しかけて交流を持つと何か世界が変わるのではないかなと思います。

――京都検定はどのようにして勉強されているのですか?

京都検定のテキストがあるのでそれを活用しています。これから受験したいと考えている方は、いきなりテキストの問題を解くのは難しいと思うので、京都のガイドブックを見ながら、ここ素敵だな、行ってみたいなと思うところから始めるのも良いと思います。

実際に神社仏閣などへ足を運ぶことも大事ですね。自分の目で見ることで記憶に残るため覚えやすいからです。また、色んなところを見ていくことで段々と興味が広がっていくと思います。

――趣味で腹話術もされていますよね?

そうですね。東日本大震災のボランティアに行ったときに、困っている人や辛い人を楽しませる何かができれば良いなという思いから始めました。ただ、今はガイドのときに楽しんでもらうために腹話術を取り入れたガイドをしています。

学生に向けてメッセージ

――中村さんは人前で話をするお仕事をされていますが、上手く話すコツや緊張しない方法はありますか?

私は元々緊張しないタイプなんですよ。ただ、落語をする機会があったのですが、これは恐ろしく緊張しました。覚えていることを忘れてはいけない、ちゃんとしないといけないのにできるかなという不安感が緊張につながったと思うんですよ。

なので、出来なくてもいいというふうに開き直ることで気が楽になるので、そういうことも必要かなと思います。あとは人前で話すことが苦手な方は、自信が持てるように練習をしっかりすることです。自分の頭で話す内容を整理して組み立てることで、言いたいことが出てきやすくなりますよね。自信がつくと緊張感も少しは和らぐと思います。

――読者に向けてアドバイスをお願いします。

学生時代に人と違う、人より抜きん出る何かを持つことをしておいた方が良いですね。たとえば、就職活動の面接で他の学生と同じことを言ったとしたら面接官の印象に残らないと思うんですね。優秀であるとか礼儀正しいということだけではなく「ちょっと面白いな」と思ってもらえる人材であることも大事なんじゃないかな。

たとえば、自分が興味を持っていることや面白いと思うことにとことん打ち込んだり、人と違う体験をしたりすることは強みになると思います。
またお仕事をするようになったら、色々大変なこともあると思いますが、どんなことも楽しめるように生きてほしいと思います。

さいごに

いかがだったでしょうか。
中村さんがおっしゃった「学生時代に人と違うことをしておいた方が良い」という言葉が印象に残っています。これなら誰にも負けないという自分の強みを学生時代に見つけられるように何事にも真剣に取り組むことが大事だなと思いました。

他にも京都の魅力についてお話していただきました。神社仏閣や四季ならではの楽しみ方、おしゃれなカフェなどがあることを知れたので、もっと京都の街を探索したいと思います。

お忙しい中、貴重なお話をしてくださりありがとうございました!

 

(取材・文)  龍谷大学 政策学部 梅垣舞央香
(取材・撮影) 龍谷大学 政策学部  熊谷彩音

この記事を書いた学生

梅垣舞央香

梅垣舞央香

龍谷大学 政策学部

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