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【学びフォーラム2015】講義後の先生に突撃!「校則」ってなんのためにあるの?

 

立命館大学で開催された「京都の大学『学び』フォーラム2015」。京都の様々な大学の情報が得られるこのイベントには、毎年多くの高校生が参加します。
特に各大学の先生が教壇に立つ模擬講義は、大学での「学び」を体感することができる目玉企画。この日は1日で約30もの講義が行われました。

今回僕は、4限の「『校則』ってなんのためにあるの?―子どもの人権論の視点で考えてみる―」という模擬講義に参加。
講義後に、先生の専門分野や経歴、さらには普段の生活について、色々とお話を伺いました。

 

住友先生ってどんな人?

まずは、この講義を担当された住友 剛先生についてご紹介。

住友剛すみとも つよし

【学びフォーラム2015】講義後の先生に突撃!~「校則」ってなんのためにあるの?~

京都精華大学人文学部教授。専門分野は子どもの人権論・子ども支援論。
「教職論」「生徒指導論」など、主に教職課程(※)の講義を担当している。

(※…教員免許を取得するための科目群・課程)

 

講義内容まとめ

で、どんな講義だったの?ってなりますよね。
以下にまとめてみました。

【学びフォーラム2015】講義後の先生に突撃!~「校則」ってなんのためにあるの?~

中学生や高校生にとって、最も身近なルール「校則」。みなさんはその校則について、何か疑問や不満を抱いたことはありませんか?

たとえば…
「校則って誰がいつ決めたの?」
「こんな校則なくていい!」
「そもそも校則ってなんのためにあるの?」

一般的には、大人による大人のためのルール感が否めませんよね。

では「この校則はおかしい。変えてくれ!」と思ったとき、生徒側には何ができるでしょうか。
思っても口には出さない?友達同士で話す?それとも、職員室に行って先生に言う?3番目が一番いいように思いますが、子ども(生徒)が抗議してきたとして、大人たち(先生)はまともに相手をしてくれないことも。どうしましょう…

そんなとき強い味方となるのが「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」です。
簡単に言うと、

・子どもにだって意見を言う権利はある
・しかも年齢等に応じて正当に重視されるべき
・さらに意見を言うときは、それをちゃんと聞いてもらう権利がある

こんな感じ。これらは「子どもの意見表明権」と呼ばれるもので、国際条約で保障されています。
(興味のある人は、子どもの権利条約第12条を読んでみてください)

校則は、大人が子どもを縛るためのものではなく、生徒の学校生活をより安全・快適にするためのもの。人に作られたルールにただ従うのではなく、疑問・不満があれば積極的に主張する姿勢も必要なのではないでしょうか?すぐに思うとおりになるとは限りませんが、意見を言うのは自由なのです。

【学びフォーラム2015】講義後の先生に突撃!~「校則」ってなんのためにあるの?~
(講義中、高校生と話す様子)

どうでしたか?

この講義は少人数対話形式で、参加した高校生からも

男子「遠くから通学する人にとっては、ケータイ禁止がキツイ。連絡できないし…」
女子「髪の色はまだしも、髪型が制限されているのはおかしい。なんで肩までの長さじゃなきゃいけないの?」

など、いろんな意見が出ていました。
やっぱり、何かしら思うところはあるようですね。

 

インタビュー開始!

というわけで講義が終了。
さっそく先生にインタビューしたいと思います。

【学びフォーラム2015】講義後の先生に突撃!~「校則」ってなんのためにあるの?~

――今回なぜこのテーマに?

先生: いくつかの理由があるんですが、やっぱり自分の身近で起こっている課題から、自分と社会のつながりについて考えてほしかったというのが一つですね。
彼らは「社会で起こっている出来事は、自分とは関係ない」と思っているかもしれないけれど、もちろん高校生だってこの社会の一員なんです。
そう考えると、みなさんが抱く疑問・不満は、社会の仕組み(今回の場合、学校)の中で生まれているわけですから…
そこをじっくり見つめることで、世の中がどう動いているか、どこが問題なのか、見えてくるだろうと。
今回は考えの糸口として、たまたま「校則」というものを選んでみたんです。
「大人がやっていることに、子どもが文句言ったっていいんだよ」って言いたくて。学校以外でもね。

――京都精華大学ではどんな講義を?

先生: 「教職論」「生徒指導論」「社会科公民科教育法」や「教育実習(事前・事後指導)」など、教職課程の科目が多いですね。
あとは、人文学部の科目で「子ども支援論」っていう科目を担当しています。

――「子ども支援論」というのは、何学にあたるんでしょうか?

先生: 何学っていう、特定の学問の枠には収まりません。むしろ、教育学・心理学・社会学・法学をはじめ、子どもに関するいろんな学問をくっつけた感じですね。

――じゃあ、一点集中で真理を探究する学問とはまた違って、現実の問題に対処するために様々な学問分野を活用していくものなんですね。

先生: そうそうそう。だから目の前の困っている人、特に生活困難な状況にある子どもをどう助けるか、いろんな団体や専門家の力を借りながら考えるんです。もちろん考えるだけではなく、実際に援助もしますよ。

 

先生の意外な一面も!?

【学びフォーラム2015】講義後の先生に突撃!~「校則」ってなんのためにあるの?~
(予測変換で「プリキュア」って出ました…)

――続いて先生個人の話です。普段はどんなことをされているんですか?趣味とか…

先生: うちの大学では「プリキュアオタク」で知られています。

――な、なるほど… それは……なぜ?

先生: 小学生の娘がいるんですけど、女の子って幼い頃そういうのに興味持つじゃないですか。それで娘が2、3歳のときから一緒に見ていたら、お父さんのほうがはまっちゃって。今は毎週録画して見ています。今日の朝も、録画しつつリアルタイムでも見ました。

――本格的じゃないですか!オタク趣味はプリキュアだけですか?

先生: プリキュアだけだね。戦隊モノはゲキレンジャーとシンケンジャーはまともに見たかなぁ… あと仮面ライダーはね、フォーゼだけ見たかな。

――全然ついていけません。何のことやら…

先生: ちゃんと見なきゃだめだよ!プリキュアに関しては、過去の分も全部レンタルして見ているし、劇場版も一通り見に行ってるね。僕だけじゃなく、学生でもオタクの子いっぱいいるし…(以下略)

まだまだ序の口です。
プリキュアの話は、この後20分以上続きました…

大学でも、チャンスがあれば、アニメや特撮をテーマにした講義をされているとか。
本人曰く「好きなことをさせてくれるいい職場です(笑)」とのことです。

 

中高生へのメッセージ

【学びフォーラム2015】講義後の先生に突撃!~「校則」ってなんのためにあるの?~

最後に気を取り直して(と言ったら失礼か)、中高生の皆さんへ向けたメッセージをいただきました。

――大学進学を考えている、または進路に迷っている中高生にメッセージを!

先生: 学生を見ていていつも思うのは、大学に入ると化ける人っているね。
うちの大学が変わっているのかもしれないけど、「中学生のとき、勉強全然わかんなくて」とか、「高校時代に不登校で」とか、あるいは「学校行かずにやんちゃしていて」とか、いろんな人いるんですよ。
そういう子たちが精華大に来て、2回生くらいになると何かに目覚めて、3回生になると完全に変貌を遂げたりするんですね。要するに「化ける」んですよ。
だから、人間捨てたもんじゃないぞって。「私こんなこと苦手だから、できないから」と思っているかもしれないけど、それは中学・高校までの話であって。
大学に入ってきて、もっといろんな人に出会って、いろんな刺激を受けたら変わるから。今までの考えと新しく吸収したものが化学反応を起こすから。
みんな自信をもって!変われるチャンスはあります。

 

このインタビューを見て、大学や教授について興味を持ってもらえたらうれしいです。
住友先生、本当にありがとうございました。

 

[京都精華大学 公式Webサイト]
http://www.kyoto-seika.ac.jp

 

[京都の大学「学び」フォーラム2015]
http://www.consortium.or.jp/project/kodai/manabi-forum

 

(文:同志社大学 法学部 木村望)
(写真:京都産業大学 文化学部 石永路人)

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