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アパレル専門学校か4年制大学で将来をどうするか迷っている高校生へ

「専門学校か4年制大学どちらに進学しよう…?」
「ファッションやデザインに関わる仕事がしたい」

将来やりたいことは決まっているけど、専門学校と4年制大学どちらへ進学するか悩む高校生は多いのではないでしょうか。

大学にも専門学校にもそれぞれ特色はあるけれど、具体的にどんなことができるのか
いまいち分からない…。

そんなとき、実際にファッションを学ぶ現役大学生の声を聞くことができたら?

今回は、京都女子大学3回生の庄司絵美衣さんに、成長するきっかけとなったサークルとの出会い、気持ちの変化など、アパレルの多方面で活躍している大学生活について話を聞いてみました。

アパレル専門学校か4年制大学で将来をどうするか迷っている高校生へ

プロフィール
庄司 絵美衣(しょうじえみい)さん

・京都女子大学 家政学部 生活造形学科 3回生
・アパレル企画製作部 twinkleに所属。クリエイター、ヘアメイクスタッフとして活動。
・京都の百貨店「高島屋」で着物ファッションショーのコラボをする。

<京都女子大学 アパレル企画製作部Twinkleについて>
・東海最大級ファッションショーコンテストBlan’k New 18th優勝

服飾に興味をもったきっかけ

アパレル専門学校か4年制大学で将来をどうするか迷っている高校生へ
(高校生の時に撮った学祭の様子)

服作りに興味を持ったきっかけは、高校の文化祭です。

私の通っていた高校はすごく本格的な劇をする所でした。劇団四季の脚本をアレンジしてメイクや衣装、セットを全部、自分たちで作っていました。

私は劇中の衣装係を担当。

でも、制作は難しく自分のイメージする衣装をうまく作ることができませんでした。

その時、「こういう服をつくりたいのになんでできひんねんやろ」ってすごく感じて。

服作りを本格的に習ったことがなかったから当たり前なんですが、めちゃくちゃ悔しくて。

友達からは「衣装すごくよかったよ」って言われたんですが、自分の中で納得できない部分がありました。「もっとうまくできたのに、がんばれたのに」って。

そこで高校を卒業したらファッションを本格的に勉強したいと思うようになりました。

基礎の基礎から教えてもうことができた

高校生のときはファッションの専門学校に行きたいと思っていました。

しかし、親に大学へ進学するよう勧められ、京都女子大学に進学。

当時は、「大学で本当に本格的な服を勉強できるの?」って思っていたけど、そんな悩みは吹き飛ぶくらい大丈夫でした。

なぜなら、生活造形学科には基礎の基礎から教えてもらうことができる環境があったからです。

私たちの学科は人数が比較的少ないため、先生と生徒の距離が近いことが特徴です。

先生に会ったら「あ、おはよう、○○さん、こないだのあれどうなったん?」って声をかけてもらえたりします。

できないことがあっても親身になって教えてくれるし、すぐ解決できる。

本当にやさしいです。私にとったら第2の母みたいな先生がいます。
もうなんでも世話を焼いてくれる(笑)。

アパレル専門学校か4年制大学で将来をどうするか迷っている高校生へ
(企画実習という授業で「デニム」の新しい可能性、魅力を提案した)

服を作ってみて、「なんかここ気に入らへんな」と思うところがあったら、「もっと頑張ろう」ってなるし、反対に、今回うまくいったところは「前回と違って特別なことしたかな」っていつも考えます。

一方で、学校だけだと服を作る機会は基本、その授業だけになってしまいます。

授業で服作りやデザインの基礎を固めた上で、大きな舞台で表現する場として、Twinkleというサークルがありました。

ファッションショーを手がけるTwinkleについて

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(Twinkleのショーモデルさん)

「Twinkle」とは京都女子大学のアパレル企画サークルです。

組織としては、サークルの代表と副代表と会計がいて、彼女たちは三役としてサークル自体をまとめてくれています。

そして、衣装作り専門のクリエイター、ヘアメイクスタッフ、ショーモデル、ショーの演出を手がけるPRスタッフがいます。

私は基本クリエイターとして活動しながらヘアメイクスタッフもしています。

ヘアメイクはネットで検索して全体のイメージをみんなに共有します。「こっちのほうがテーマに合ってる」「キラキラつけたほうが可愛いやん」と相談しながら、誰かをモデルにして試します。

PRスタッフは、ショーをするときに後ろの動画制作やテーマを決める部門です。
ショーに使う音楽や演出を決めるために、何度も打ち合わせをします。
プロの業者さんが入ってくれて、参考動画を観ながら「もっとここはこうしてください」と相談しながら自分が作りたいもののイメージを膨らませます。
音楽も演出に合わせて秒数を図りながら調整していきます。

ショーモデルは身長165cm以上を条件としています。
入学式とかオリエンテーションの時に「あ、あの子かわいいし、身長高い」みたいな感じでスカウトすることが多いです。

――ショーはどのように作られているの?

まず、毎回テーマを決めて、そのテーマを決めた子がチームリーダーになります。

チームリーダーが主にそのファッションショーを作ってるってイメージかな。
ショーには、結構みんなの意見が取り入れられるけど、チームリーダーが一番大事です。

次に、ひとつのファッションショーの中のそれぞれのリーダーに、メンバーが「このチームやりたいです」って感じで入ります。
1チームの人数は10人から15人います。

3回生・4回生は一応引退したことになってるけど、毎年OGとして来てくれます。3回生で1つのテーマ、4回生で1つのテーマっていうふうにショーをつくっていきます。

上回生のショーはとてもクオリティーが高いです。それを後輩が見て「やっぱりすごい、頑張ろう」って刺激をもらって育ちます。

Twinkleでやりがいを感じた瞬間

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今年(2018年)の5月6日に名古屋で開催された東海最大級ファッションコンテストBlan’k NewTwinkleとして優勝したことです。
Blan’k Newについて↓
http://www.blanknew.net/

Twinkleのショーのテーマは「同調圧力」

周囲からの圧力でどんどん自分たちの個性がなくなっていく様子を衣装で表現しました。

こだわりは、同調圧力と光の三原色(赤・緑・青)を掛け合わせたことです

アパレル専門学校か4年制大学で将来をどうするか迷っている高校生へ

 

光の原色が合わさっていくことで、白になって個性がなくなる様子を表現しました。

――Blan’k Newで担当したことは?

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舞台裏でメイクをする様子

私は、衣装作りとメイクを担当しました。

三原色の衣装を引き立たせるために、顔をできるだけ白に近づけて、彫りを深くするメイクをモデルさんに行いました。

舞妓さんが使用するおしろいのドーランを顔全体に塗って、舞台上で目や眉毛などのパーツが映えるよう、線なども入れたりしました。

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(光の三原色「青」の担当衣装)

またクリエイターとして、舞台上でちょっと着替えたら、形も色も変わるっていう衣装を作りました。

衣装の中にひもが入ってて、そのひもをひっぱるとピンクの衣装に変化するんです。

衣装作りは一回で成功するわけじゃなく、やり直しをするたびに26メートルの布を何回も何回も買い足しました。

衣装の製作をしながら、舞台での見せ方も研究しました。モデルさんに13cmヒールを履いてランウェイを歩いてもらい、衣装の見え方のイメージをつけていきました。


――ショーで苦労したことは?

とにかく衣装の色あわせが大変でした。

「色」に意味をもたせたショーだったので、色に対するこだわりは本当に強かったです。

同じ色でも素材によって見え方が違うから、しっかり色あわせしておかないと衣装カラーの全7色がでてきたときにパシッと決まりません。

そこで、みんなで協力して、「こういう布があったよ」ってLINEのアルバムにまとめて情報を交換するようにしました。

完成した当日、ショーを見ると「色をしっかり合わせてよかったな」と心から思いました。

本当にすごくきれいで。

このショーに出演するために半年前から準備して、苦労がたくさんあった分、優勝って聞いたときは涙が出ました。

あれだけは自分の中で唯一、頑張ったって言えるかな。

もうほんまにあのときの涙は忘れられない一生の思い出です。

京都の高島屋・老舗刺繍店とコラボ

――京都ならではの活動や思い出はありますか?

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(伝統柄の色彩を今風にアレンジ。とっても可愛かった)

日本の伝統染色法である捺染(なっせん)について勉強する機会がありました。

捺染とは、布に色模様を映し出して、その柄がロールプリンターみたいに印刷されていく技術です。

かつて用いられていた柄の型が保存されていて、今にとりいれられないかということで、インクジェットで復刻した布を浴衣にして高島屋で販売しました。

このプロジェクトに参加したきっかけは、生活造形学科の青木美保子先生の実習授業を受けていたことからです。

柄の色彩を今風にアレンジし、完成された浴衣を選んで、去年の6月ごろに高島屋で開かれた着物ショーのモデルとして参加しました。

昔の柄なのに、今でも「かわいい」着物がたくさんあって、色を変えただけなのに、こんなに印象が変わるんだ!って感じました。

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(刺繍糸を製造・販売している京都の会社の糸を主役にして作った衣装)

また、「Twinkle Summer show 2017」で刺繍糸を製造・販売している京都の会社の糸を主役にデザイン、製作してショーを行いました。

衣装に使用したのは「シャッペスパン」という特殊な加工で紡績されたポリエステル100%の糸です。

白のオーガンジーのワンピースの中に、キルティングの布を使うことでボリュームのあるシルエットにしました。

衣装にちりばめた花はひとつひとつミシンを使って刺繍をしたため、とても苦労しましたが、ショー当日にモデルさんが製作した衣装を着てランウェイを歩く姿を見て頑張ってよかったと心から思いました。

夢は 韓国で自分の店を持つこと

――将来、思い描く夢はありますか。

これからやりたいことはたくさんあります。

仕事は具体的にこれがしたいっていうのがぜんぜん決まっていないんだけど、

もし叶うのであればtwinkleの活動を永遠にしていたいかな(笑)。

やっぱり、ショーが完成するまでの「ひとつのものをつくりあげていく」あの一体感が好きです。

大きな夢は、いずれ韓国でブランドを起こして、自分の店をもってみたいです。

アパレルやデザインをはじめ、韓国のすごく繊細な文化に惹かれます。

全国の中高生の皆さんにメッセージ

アパレル専門学校か4年制大学で将来をどうするか迷っている高校生へ

自分のやりたいことと、そこにどうやって進んでいくのか。

たくさんたくさん悩むと思います。

専門学生は普段からコンクールに応募することが多いと聞きましたが、大学生だからできないわけじゃなくて、出そうと思えばコンクールに出展できます。

私の場合、大学に進学し、たくさんの人と場面に出会い、挑戦することができました。

京都女子大学の生活造形学科は、ファッションの基礎はもちろん、1回生の時からアパレル・建築・衣装の3領域を勉強しながら、自分の興味を膨らますことができます。

「単位足りないからこの授業とってみよう」とかも全然OKだし、気づけば違う分野の授業の方が面白い!って変更した友達もたくさんいました。

大学でいったん迷う時間。

その環境を大切にしながら、思いっきり「自分へ」活かしてください。

そして「今しかできないこと」にチャレンジしてほしいなと思います。

 

(佛教大学 社会学部 唐澤葵衣)

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