文学女子がオススメする京都本~京都の大学出身者編~
京都が舞台になった作品と聞いて何か思いつくものはありますか?
その舞台は、京都に住んでいなければ知らないようなマニアックな場所かもしれません。
様々な作家が京都で学生生活を送り、それを基にたくさんの作品を執筆されています。
この記事では京都でキャンパスライフを過ごした作家を特集し、小説から見える京都の魅力をご紹介します。
今回取り上げた本を読んで、京都に住みたい!大学生活を京都で送りたい!と思っていただけたら嬉しいです。
もくじ
1.「早春恋小路上ル」 小手鞠るい (同志社大学出身)
小手鞠るいは同志社大学法学部の出身で私も大好きな作家です。
小手鞠るいの作品は恋愛小説が多くどれも胸がときめくものばかり!その中でも、今回は「早春恋小路上ル」をオススメします。
実はこの小説は作者の実体験に基づくもので、物語は岡山に住む女の子が京都の大学に進学するために町を出るところから始まります。
地方から来た学生なら共感できるような慣れない環境に主人公も悩み、それでも自分の力で進もうとする彼女の姿にきっと力をもらえるはず。
2,「ガーデン」千早茜 (立命館大学出身)
次に紹介する千早茜は立命館大学文学部を卒業し、現在も京都在住だそうです。
そんな彼女の作品から「ガーデン」をご紹介します。
帰国子女で植物しか愛せない編集者が人との関係を築こうとする物語。
この作品の中で、主人公を悩ませる日々の窮屈さや違和感は作者が都会に住む友人たちから感じた息苦しさそのもの。作者の都会観、そして京都観もうかがえる面白い作品です。
3,「珈琲店タレーランの事件簿」岡崎琢磨 (京都大学出身)
最後は京都大学から!京大といえば森見登美彦や万城目学といった独特で壮大な作風の印象があります。
しかし今回オススメする京都大学法学部出身、岡崎琢磨のタレーランシリーズはありふれた日常の謎に迫る軽快なミステリー小説です。
理想の珈琲を求める青年がたどり着いた珈琲店「タレーラン」の女性バリスタと共に様々な謎を解き明かしていくお話。
この作品は、京都を舞台にした作品に贈られる京都本大賞の記念すべき第一回(2013年)受賞作です。京都には喫茶店や珈琲店が至る所にあるのでいつかあなたもタレーランを訪れることができるかも。この本を読んで喫茶店の街、京都に思いを馳せてみては?
珈琲店タレーランの事件簿また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫) [ 岡崎琢磨 ]
まとめ
京都を舞台にした作品で私が思いつくのは森見登美彦の小説です。
癖の強い学生たちが不思議な京都の町を縦横無尽に駆け回る姿に何度笑わせてもらったかわかりません。
彼らが住む京都の街に風情を感じ、こんな大学生活を送れたらいいなと思って京都の大学を選びました。
偏差値や学部、学びたいことで大学を選ぶことも大切ですが四年間のキャンパスライフをここで送りたいと思えるような場所を選んでみるのもいいかもしれませんよ。
京都での大学生活から生まれた様々な小説を読んで新しい京都の魅力を見つけてくださいね。
(立命館大学 文学部 田中陽奈子)