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君も京都を動かせる!?「大学・地域連携サミット」で京都のミライを考えてみた

君も京都を動かせる!?「大学・地域連携サミット」で京都のミライを考えてみた
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去る12月2日にキャンパスプラザ京都で「2018年度『大学・地域連携サミット』」が行われました。今回はその模様をレポートします!

「大学・地域連携サミット」は地域と連携した活動を行っている大学や団体がそれぞれの活動を発表し、互いに交流することを目的としたイベントです。

世界が注目する街・ポートランドのまちづくり

まず始めに、ゲストの山崎満広さんの基調講演が行われました。
山崎さんはアメリカのオレゴン州ポートランドでまちづくりに関わっておられ、現在もまちづくりアドバイザーや、コンサルタントとして日米を中心に多くのプロジェクトを手がけておられる方です。

ポートランドは環境がよく住みやすい、環境に優しい形で街の成長を達成した「サステイナブル」(持続可能)な都市として、近年世界的な注目を集めており、移住者も増加しています。

ただ、ポートランドが最初から「サステイナブル」な都市であったわけではありません。鉄鋼業で発展してきたポートランドは1970年代には公害に苦しんでおり、街も疲弊していました。人口は減少し、市内を流れるウィラメット川は全米一汚い川となっていました。
ここにきて、市民が一丸となって解決へ向かっていくところからポートランドの再生が始まります。

まず取り組んだのはまちづくりの「グランドデザイン」を作ることだったそうです。それまでポートランドでは車中心の街づくりが行われており、中心部は道路になっていました。ここに公共交通機関を取り入れることで働きやすく、住みよい街に変えていったそうです。

ポートランドのまちづくりのコンセプトを一言でいうと「エコ・ディストリクト」(健康的で自律的に持続可能な地区)だそうです。このコンセプトを実行するために最も重要なのは計画を実行するときに官と民が連携をとれるかであり、そのため地域レベルで住民の意見を吸い上げて官民が話し合いながら地域の運営が行われる仕組みが整備されています。

さらに徒歩20分圏内の小さなエリアを公共交通機関でつなぎ、互いに行き来できるようにすることで街に「お互い様」という意識が生まれ、街の雰囲気がよくなるのだそうです。街区も60m四方の小さなもので、人口密度が高くなるように設計されているそうです。

大きな川や細かい街区、公共交通機関など、ポートランドのまちづくりは京都にもあてはまる部分があるように感じられました。

失敗してもいい!学生の挑戦を応援できるまちに

ここからは京都市 大学政策部長の塩野谷和寛さん(写真右)と大学コンソーシアム京都 調査・広報事業部長の深尾昌峰さん(写真左)が加わって鼎談が行われました。

鼎談は塩野谷さんが「大学のまち京都」についてや「学まち連携大学」の取組を紹介するところから始まりました。そこからポートランドのまちづくりや京都の学生などに話題は移っていきます。
ここからは、鼎談の中で印象に残った山崎さんのコメントをご紹介していきます。

―ポートランドは見ていて住民が楽しそうである。なぜだろうか?

山崎:街が寛容だからではないかと思います。ポートランドにはどんな人が来ても面倒を見るようなところがあり、例えば学生がふらっと屋台を始めても許される。そこからレストランを始めて成功した学生もいる。そういった敷居の低さが「楽しそう」といった感じにつながっているのではないでしょうか。

―京都は学生に寛容な街である一方で、用意すればするほど学生が「お客さん」になってしまうことはないか?

山崎:日本社会では手段とゴールがごっちゃになりがちであるが、大事なのは危機に対する行動ではないでしょうか。世界中でのさまざまな取組を日本に取り込んでいくためのアクションに一番向いているのが失う物が少ない学生だと思います。
日本が直面している課題は世界においても先進的なものが多い。例えば超高齢化社会などですが、こうした未知の課題を少しでも解決することができれば、それは世界の先駆けとなり得ます。そうした課題にどう取り組むかで学生の君たちが40代の頃の社会が決まってきます。精一杯やってみてほしいですね。

―鼎談の最後に、山崎さんからのメッセージ。

山崎:ハングリーな人ほど伸びるシステムを作っていくことが重要だと思います。また、行政側も失敗してもいいという雰囲気を出していくことが大事だと思います。
京都では学生は「学生さん」として大事にされますが、君たちはいち個人でもあります。どんどん失敗して学んでほしいですね。大学生活の中で時には外に出てみることも大事。京都に恩返しすることも考えながらガンガンやってみてもらいたいです。

鼎談の中で「失敗を恐れない」「まずはやってみる」「課題をチャンスととらえる」といった言葉が多く聞こえたのが印象的でした。世界にも日本社会にも様々な課題があります。回答が用意されていない課題に対して答えを出すには、ひたすらトライし続けることが重要なのだろうと思います。

学生が大人の助けも借りながら、精一杯、力を発揮することができる場が京都にはあります。地域と大学が手を組み、学生が京都のまちで様々なプロジェクトに挑戦していく「学まち連携大学」もその一つです。

「学まち連携大学」促進事業 採択大学の報告会

鼎談の後は「学まち連携大学」促進事業の6つの採択大学による報告会が行われました。
大谷大学、京都教育大学、京都女子大学、京都橘大学、同志社女子大学、龍谷大学の教職員の皆さんが登壇され、それぞれの大学の活動を紹介されました。

「学まち連携大学」促進事業とは、大学を挙げた地域連携の取組をこれまで以上に促進するため、地域と連携した活動を通じて学生が学ぶ実践的な教育プログラムの開発及び実施に取り組む大学を支援するものです。

大学の研究成果を地域で活かすだけでなく、実践的な能力が身につき、地域に愛着を持つなど学生の成長にもつながることが期待されています。

報告会の後には、京都府内の地域で活動する学生団体によるポスターセッションと交流会があり、各大学の学生たちがグループに分かれて京都を学生が住みたいまちにするためのブレインストーミングを行いました。

山崎さんインタビュ-

(山崎さんからご著書にサインを頂きました)

最後に、基調講演を務められた山崎満広さんにインタビューを行いました!

Q1.先ほどの講演を聞いて、学生がハングリーであり続けることの大切さを学びました。ハングリーであり続けるために大事なことは何だと思いますか?

山崎:変わり続けることですね。
落ち着かない、一つのことにこだわらない生き方をしなきゃどこかで落ち着いちゃって、若年寄りみたいになってしまう。そこが多分、ハングリーで居続ける原点じゃないかな。現状に満足しないから次のことへ次のことへと向かっていく。

― 常に新しいことや先のことを探していくということでしょうか。
新しいことじゃなくてもいいんですよ。元に戻ってもいいの。
ただ、うまくいった成功体験をもとに、次へ、次のステップが何かっていうのを普段から考えてやることじゃないかな。

例えば、僕は以前、公務員だったんですけど、その時は割と安泰で、いい給料をもらえる日々があったわけですよ。
でも今は独立して自分の会社で社長兼小間使いを自分で全部やるわけです。会計のソフトウェアまでやるわけだから、ゼロからやって、あんまりうまくいかなかったら、月々の住宅ローンや生活費が賄えないかもしれない。でも、別に一か月働いて一年分稼げるんだったら、残りの11か月ゆっくりしてもいいわけですよ。

思っていることが理想としてできる、もしやりたければできるような立場にいます。まあ苦労はしますけど、うまくいってる分、楽しい時期も、楽な時期もあるし、そういった意味ではだいぶ新しいことに挑戦し続けている感じですよね。

その「し続ける」のが重要で、ある程度、歳いった時に、例えば65歳で引退したから全部をやめるっていうんじゃなくて、ステージ、ステージで新しいことをしていくのが理想じゃないですかね。

Q2、自分たちは中高生などこれから大学に来る人に京都の学生生活の良さを発信しているんですが、これから大学生になる人々に大事にしてほしいこと、さらにメッセージなどあればお願いします。

山崎:京都の大学ってたくさんありますけど、過ごしやすいし、多種多様なことを勉強できるでしょうから、京都のライフスタイルを思う存分、使い倒しに来てほしいね。なぜかというと京都に住んでる人ほど、京都が見えてないってことはあるかもしれないじゃないですか。

本当に京都に住む価値とか、京都の資産を活かすみたいな、その経験を生かせるようなっていうのを集中して考えながら来て欲しいね。京都のいい環境を存分に利用しながら学び、生活していくことにチャレンジしてほしいね。いろんな人に会って、いろんなことを見て。

京都って言ったら、みんなお寺さんとか回って帰るよね。でも、京都に住む地元の人たちに、「こういう風に生活を楽しむんだよ」というのを見せてもらったら、僕のイメージする京都とは全然違うわけですよ。やっぱり京都ってほんとにすげえなってとこがいっぱいあって。

例えばね、270年前からある鶏肉の料理屋さんとか連れてってもらい、おかみさんから「実はこの戸を開けると裏に階段があって、坂本龍馬が逃げたんだよ」みたいな歴史の話を聞くとビビるわけですよ。僕みたいな人は。そういうことが多分、どこにでも転がってるのが京都の凄さなの。
長い歴史の中でドラマがいっぱいあった訳ですよ、この街には。そういうのをちゃんと知って、それを生かしてほしいですね。

― 自分も色々経験して、京都の魅力を発信していけたらと思います。本日はありがとうございました。

チャンスのある街・京都

基調講演にお越し頂いた山崎さんはとても明るく、エネルギーに満ちた方でインタビューにも気さくに応じていただき、自分も多くの刺激を受けました。

京都では学生と大学、行政、企業などが協力して日々多くのプロジェクトが立ち上がっています。皆さんもやる気さえあれば、街を動かすような事業に携わることができます。

全国の中高生の皆さん。チャンスにあふれた街・京都で学生生活を送ってみませんか?

【ご参考】大学・地域連携サミットは こちら から

(同志社大学 社会学部 西野洋史)

この記事を書いた学生

かれんちゃん

かれんちゃん

卒業生が執筆した記事はかれんが紹介しているよ!